漫画『上流社会』って、最初は「貧民街の女の子が貴族令嬢になる話ね」と思うじゃない?ところが読んでいくと、一番どうにもならなくなるのが計画を立てたチェーザレなのよ(笑)。
豪華なドレスやきらびやかな屋敷が並ぶ世界なのに、その中で笑っている人たちは誰も幸せそうには見えないんです。身分が高ければ幸せになれるわけでも、お金があれば心まで満たされるわけでもない。誰もが何かを手に入れるために駆け引きを続け、愛さえも武器や取引材料になってしまう。その息苦しさが、『上流社会』には容赦なく描かれています。
あらすじ|アデルが貴族令嬢になる理由と3か月の計画
アデル・ビビは、貧民街で靴磨きをしながら暮らしていた女性。身寄りもなく、決して恵まれた環境ではないけれど、だからこそ自分の人生をどうにかしたいという気持ちは強い。そんなアデルの前に現れたのが、大貴族ブオナパルテ家のチェーザレだった。
チェーザレがアデルに持ちかけたのは、普通の女性なら「ちょっと待って?」となるような話。アデルを自分の妹として貴族社会に入れ、ブオナパルテ家の令嬢として振る舞えるようにする。そして3か月後のチェーザレの誕生日までに、デラ・ヴァレ家の息子エズラと結婚させる。これでチェーザレ自身が避けたい政略結婚を白紙にしようというわけ。
アデルからすれば、貧しい生活から抜け出せる大きなチャンス。もちろん簡単な話ではないし、貴族社会には今まで知らなかった作法や人間関係がある。それでもアデルは、与えられた立場にただ甘えるのではなく、必死に覚えて、少しずつ「令嬢」として振る舞えるようになっていく。
ところがですよ。エズラとの結婚を成立させるためにアデルを育てているはずのチェーザレが、だんだん変になってくる。アデルがきれいになった、社交界で認められるようになった、エズラとの距離が近くなった。普通なら「よし、計画どおり!」で終わるはずなのに、チェーザレの顔が全然そうじゃない。いや、あなた何をそんなに複雑な顔してるのよ…って感じ。
登場人物|ブオナパルテとデラ・ヴァレの関係性
華やかなドレスの裾の下で常にナイフが光っているような緊張感なのですよね。主なキャラクターは、アデル・チェーザレ・エズラ・ルクレチア、この4人!
アデル・ビビ|貧民街から貴族社会へ飛び込んだヒロイン
アデルは、チェーザレの計画に乗って人生を変えようとする女性。ただし「素敵な王子様が現れて助けてくれました」という受け身のヒロインではないところが好きなのよね。自分が今までどんな暮らしをしてきたのか分かっているからこそ、このチャンスを絶対に無駄にしたくないという気持ちがある。
だから、貴族の作法を覚えるときも、ただ言われたことをこなすだけではない。自分がこの世界でどう見られているのか、誰を信用していいのか、どう振る舞えば自分の立場を守れるのかを考えるようになる。最初は「チェーザレに作ってもらった令嬢」だったアデルが、だんだん自分自身の足で立つ女性になっていくのがいいのよ。
恋愛でも同じ。チェーザレに惹かれていったとしても、「好きだから全部信じます」にはならない。だって自分は最初、彼の計画のために連れてこられたんだもの。後からどれだけ優しくされても、「それって本当に私自身を好きなの?」と考えてしまうのは当然なのよ。
チェーザレ・ブオナパルテ|自分で仕掛けた恋に自分が苦しむ男
チェーザレは、アデルをこの計画へ引き込んだ張本人。最初はかなり合理的で、アデルを令嬢に仕立ててエズラと結婚させれば自分の問題も解決する、と考えている。つまり、恋愛より先に「目的」がある男なのよね。
ところがアデルと過ごす時間が増えるにつれて、その計算が少しずつ崩れていく。アデルが貴族社会に馴染めば本来は喜ぶべきなのに、他の男性から女性として見られると面白くない。エズラとの関係が進めば計画成功なのに、なぜか気になる。もう完全に自分で自分の首を絞めてるのよ。
しかもチェーザレは、最初からアデルに「俺は君が好きだから連れてきた」なんて言ってない。自分の都合で始めた関係だからこそ、本気で惹かれてしまったあとが大変なの。好きになったから終わりではなく、「じゃあ最初に私を利用したことはどうなるの?」という問題が残る。ここ、めちゃくちゃ気になるところ。
エズラ・デラ・ヴァレ|アデルの「結婚相手」として現れる存在
エズラは、アデルが偽装した令嬢として結婚する予定の男性。つまりチェーザレの計画を成立させるためには欠かせない存在なんだけど、この人がいるからこそチェーザレの感情がどんどん分かりやすくなるのね。
アデルにとっても、エズラとの結婚は単なる恋愛ではない。貴族社会で生きていくための未来として提示されたものだから、アデル自身が「私は本当にこの人生を選びたいのか」と考えることにもつながっていく。そしてアデルの出生に関する秘密が明らかになることで、エズラとの関係も変化していく。最初から決められていたはずの結婚が、アデル自身の意思や正体によって揺らいでいくところも見逃せない。
ルクレチア・デラ・ヴァレ|チェーザレが避けたい政略結婚の相手
ルクレチアは、チェーザレが避けようとしている政略結婚に関わる令嬢。そもそもアデルがこの計画に巻き込まれることになった原因のひとつが、チェーザレとルクレチアの婚姻問題だった。
ただ、チェーザレを神のように崇拝し、どんな手を使ってでも手に入れようとする姿がもう怖くて!アデルに向けるチェーザレの想いを知ってからはもう、粘着度ますのよね。
ただ、話が進むにつれて、ルクレチアとの結婚を避けることだけがチェーザレの問題ではなくなっていく。アデルへの感情が本物になってしまったから、チェーザレ自身が「この先どうしたいの?」というところまで追い込まれていくのよ。

この4人だけでなく、ジジの的を得た的確な意見やエルギのアデルを見る熱い目線も混ざってきて、サブキャラクターたちもい味出してます。
『上流社会』に登場するキャラクター達
【ブオナパルテ家】
- チェーザレ・ブオナパルテ
家当主。 望まない結婚を回避するため靴磨きを妹として偽装。 - アデル・ビビ
(アデライデ)
出生不明で天涯孤独。 貧民街でギリギリの生活をしてきたが生きるためチェーザレと結託する。 - エルネスト:執事
- エギル・コレル:アデルの護衛騎士
- エポナ・コレル:アデルの専属侍女
- ジジ・マンフレディ:チェーザレの秘書
- エヴァ・ブオナパルテ:チェーザレの祖母
- グイド:チェーザレの友人
- シルヴィア:グイドの恋人
- リヴィ・ロッシ:グイドの父
- ジョット:医師
- ホルト:執事
- ローワン:チェーザレの父親
- カタリナ:チェーザレの母親
【デラ・ヴァレ家】
- エズラ・デラ・ヴァレ
次男。チェーザレの計画通りアデルと運命的に出会う。 - ルクレチア・デラ・ヴァレ
末娘。 ブオナパルテ家との誓約書を根拠にチェーザレに結婚を迫る。 - オレステ・デラ・ヴァレ:長男
- ジュヌヴィエーヴ:ルクレチアの友人
- ヘーゼル:ルクレチアの侍女で、アデルの殺害計画に加担
- アネセ:ヘーゼルの後任侍女
- ルカ・デラ・ヴァレ:家当主
【その他】
- フラヴィア・ロレダン:ブオナパルテ家に代々仕えてきた由緒ある家門「ロレダン家」
- クラリッサ・ドナティ:アデルが貧民街の友人
- ルチオ・ガゾロ:市長
- ビオ・ロッシ:現プリオリでロッシ家当主
- ジェンニーニ元老:前シニョーリア議長ジ
- ジュヌヴィエーヴ・マラテスタ:ルクレチアの友人
- シャーロット・イブレア:南島のプリオリであるイブレア公が溺愛する末娘
- パルミナ・ジノーブル:プリオリで公爵夫人
- セベリノ・ムド:ルクレチアのお見合い相手
- イスラ・スフォルツァ:南部諸島の修道院長
- サントナール:海の女神に祝福された国。2つの本島と数十個の小島で構成されている。首都はフォルナティエ。
- ブオナパルテ:大貴族。 誰もが羨望する一族でありサントナール文化の中心
- ベッラ・フィグーラ:全てにおいて美しく魅力的であれというサントナールの美徳。
- オメルタ:見聞きしたことを絶対に外部に漏らさないという沈黙の掟。 これを破った者には厳しい報復が待つ。
- シニョーリア:形式的な共和制を維持するサントナールの議会。現議長はチェーザレの祖母であるエヴァ・ブオナパルテ。
- 船首の女神像:海の女神を崇めるサントナールでは船首に女神像がない船は祝福を受けられないと考えられている。
- ギモーラ:貧民街
アデルの出生の秘密とは?|偽装令嬢だけでは終わらない
アデルについて大きなポイントになるのが、彼女自身も知らない出生の秘密。
最初は、貧民街で暮らしていたアデルがチェーザレによって貴族令嬢として仕立てられる、という構図だった。でも物語が進むと、「そもそもアデルは本当にただの貧民街出身の女性なの?」という疑問が出てくるわけ!
そして出生の真実は、アデル自身の人生だけではなく、エズラとの関係や貴族社会での立場にも影響してくる。つまり、チェーザレが用意した「偽の身分」が、後からアデル自身の本当の出自とつながっていく。ここが分かると、序盤のアデルを見る目もちょっと変わる。彼女は誰かに与えられた令嬢の人生を演じているだけではなく、自分が何者なのかを知り、自分の人生を選び直していく女性だったんだな、と見えてくるのよ。
作品の中で、海からの声が聞こえてきたり、最初から上品で博識があったり、で生理がずっとないことまで‥もしかしてアデルの出生に関係しているのかな?って思わせるのよね。
公式情報まとめ|原作小説・漫画の配信先は?
『上流社会』の韓国版漫画はRIDI、日本語版漫画はLINEマンガとピッコマで配信されています。漫画版ではアデルの表情やチェーザレの態度の変化を楽しめるので、二人の距離が縮まっていく過程をじっくり読みたい人には漫画版がぴったり。
原作小説は完結済み。漫画の先の展開を全部知りたい人なら、原作小説でアデルとチェーザレの最後まで確認できます。漫画を読んで「もう待てない!」となったときに原作へ行くのもいいし、結末を知ったうえで漫画を読むと、チェーザレの序盤の態度が違って見えてくるのも面白いですよ。
公式配信先はこちら。
- 日本語名:上流社会
- 原作題名:상류 사회
- 原作作者:Gyeonu
- 日本語版:LINEマンガ・ピッコマ
- 韓国語版:RIDIbooks
- 原作小説:RIDIbooks
- 外国語版:英語、スペイン語、中国語(繁体字)、タイ語、中国語(簡体字)、フランス語、ドイツ語
原作小説の結末|アデルとチェーザレは結ばれる?
『上流社会』の漫画は、小説がベースになっており、本篇180話+外伝10話=190話の超大作ですでに完結しています。どうなったのか?原作小説の結末に触れてみました。
結論:二人は過去の傷も、身分差の鎖も真正面から乗り越え、「誰にも入り込めない唯一無二の伴侶」として結ばれます。
最初のチェーザレは、氷を削って作ったみたいな男だったんです。合理性と利害だけで動き、アデルさえ駒の一つとして扱っていた。それなのに、彼女に触れるたび、凍った心に細い亀裂が入るように感情が崩れていくんです。
そして迎える「立場逆転」がもう絶品。アデルを失う恐怖に怯え、彼女の気配ひとつで表情を曇らせる姿には、「あの冷血漢がここまで変わるなんて」と、本当にたまらないんですよ。
さらに、アデルの出生(元々は高貴な出身)に隠された秘密や宮廷の陰謀もついに暴かれます。散々人を見下していたルクレチアたちは、自ら撒いた毒で足元を崩し、社交界から静かに転げ落ちていくんですよね。この「因果応報の後味」がまた、効いております。
3ヶ月だけの偽りだった契約は、最後にはチェーザレの人生そのものへ変わります。アデルは彼の「生涯の女王」となり、誰にも渡さなかった心を独占するのです。もう、ご褒美のようなハッピーエンドで締めくくられます。
チェーザレがアデルを「計画に必要な女性」として迎えたところから始まって、最後には「この女性だから一緒にいたい」と思うようになる。いやもう、最初から最後まで一番計画を狂わせたの、チェーザレの恋心だからね。
全話レビュー一覧|アデルとチェーザレの恋を最初から最後まで
アデルとチェーザレが出会ったところから、貴族社会での生活、エズラとの関係、チェーザレの感情の変化、そしてアデル自身の出生に関する秘密まで、1話ことレビューしています。
- S1完結=37話
- S2完結38~73話
- S3:74話~
チェーザレは、自分でアデルをエズラに嫁がせようとしておきながら、最後にはアデルを手放したくなくなる。だからもう、最初に言っておきたい。チェーザレ、それ、自業自得です。でも、その不器用さ込みでアデルを本気で大切にするようになっていくから、最後まで見届けたくなるのよ。
偽装から始まった二人が、最後には自分たちの意思で相手を選ぶ。『上流社会』は、貴族社会のきらびやかさだけじゃなく、「私は誰に選ばれたいのか」ではなく「私は誰と生きたいのか」まで考えさせてくれる恋愛作品なのよね。
シーズン1完結|底辺の少女、愛を知らぬ放蕩もの
シーズン1は、まさに「地獄の底から這い上がろうとする少女」と、「愛し方を知らない遊び人」の出会い編なんですよね。
アデルが生きてきたギモーラは、空気まで湿って腐臭を帯びているような場所でした。空腹は日常、暴力は天気予報みたいに突然降ってくる。そんな環境で身につけたのは、「期待しないこと」で自分を守る術だったのだと思います。
そこへ現れたのがチェーザレ。救い主…と言いたいところですが、この男がまた厄介なんです。アデルを助けながら、“所有物”のように扱う。その優しさは毛布のように温かいのに、次の瞬間には首筋へ冷たい刃を当ててくるような恐ろしさがあるんですよね。しかもチェーザレ自身、自分の感情を理解できていない。惹かれているのに、うまく触れられず、苛立ちと支配でしか距離を縮められないんです。もう、不器用にも程があります。
一方で社交界は、静かな毒が回るティーカップのような世界。ルクレチアたちの嫉妬や敵意が、音もなくアデルを包囲していきます。だからシーズン1のラストは、「恋」というにはあまりにも危うい。けれど、確かに互いが互いの酸素になり始めている。そんな息苦しくも甘い感じで幕を閉じるんです。
シーズン2完結|支配を脱し、破滅的な愛へ
シーズン2は、アデルとチェーザレの関係が、「支配」という冷たい檻から、「愛と破滅」という業火へ転がり落ちていく章でした。
特に胸を締めつけられたのが、アデルがエズラと出会ったことで、初めて「大切にされる温度」を知るんです。乱暴に掴まれるのではなく、そっと心ふれるような優しさ。あの静かなぬくもりに、涙腺が危うくなるんですよね。
一方でチェーザレは、アデルが自分以外へ心を開くたびに、理性が音を立てて崩れていきます。舞踏会での強引な振る舞いも、刺すような暴言も、「怖い」のにどこか痛々しい。愛を知らない人間が、愛に溺れ始めた瞬間の不器用さが、もう見ていられません。さらに暗殺未遂、裁判、政治劇まで絡み、物語は休む暇もなく加速。我が家の夕飯準備より慌ただしい展開です。
そして極めつけが、エズラとのキス。それを見たチェーザレの嫉妬は、もはや火薬庫そのもの。ルクレチアまで完全に闇へ堕ち、全員の感情が血のように煮え立ったまま、シーズン2は破滅の匂いを濃く残して幕を閉じます。
アデルの成長
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チェーザレとの距離
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エズラとの関係
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偽装が生む誤解
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アデルの出生の秘密
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チェーザレの本心
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二人が本当の関係を選ぶまで
という形で、物語の軸が「偽装」から「恋愛」へ移っていく感じ!
特に、
アデルとエズラと親しくなる。
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チェーザレ「……なんか嫌なんだけど?」
いや知らんがな!!あなたが始めた計画です‥なのよ!!この「自分で恋愛の舞台を整えておいて、自分が一番苦しくなる男」がかなり楽しい。

すでにシーズン3が始まっており、ラストに向けて物語が加速しております。これからルクレチアたちの転落、エズラとの別れ、アデルを巡るエルギやチェーザレ、チェーザレの両親との関係もますます色濃くなってきています!