『上流社会』の【76話~80話】の記録です。単なるストーリーの要約にとどまらず、画面の向こうに感情移入して心が震えた名場面を中心に感想を綴っています。
今回、数あるエピソードの中でも特に印象に残ったのは、「アデライデ号」と「アデル号」たの対比が描かれた79話。自分の名前を冠した船が、不吉な船として解体されるのを待っているなんて、胸が張り裂けそう‥。

ここから先は展開のぶっちゃけ解説が始まります!先を知りたくない方は、ここでストップしてくださいね。
76話:感想・考察|🎭チェーザレの偽りの仮面

罵詈雑言の裏でシルヴィアを救っていたチェーザレの真実に号泣。最初はただの冷酷な悪党だと思っていたのに、グイドとの過去を聞いて胸が張り裂けそうになった。わざと残酷な言葉を吐きながら、裏で密かに治療法まで用意するなんて、不器用すぎる優しさに心が震えた。
祭りの日、チェーザレはアデルを連れて街へと繰り出す。道中でアデルとチェーザレの身分差を誤解したグイドの婚約者・シルヴィアと出会い、彼らは思いがけずダブルデートのような時間を過ごすこととなる。社交界とは縁遠いアデルにとって、楽しげに民衆と混じり合い、シルヴィアと踊るチェーザレの姿はどこか異質で理解しがたいものだった。踊りの最中、グイドはかつてシルヴィアの病を救ったのが他ならぬチェーザレであることを明かす。悪態をつきながらも結局は人一人を救うための行動をとっていたチェーザレの「悪党」としての流儀を知り、アデルは兄という人間の真意に困惑する。
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76話、チェーザレという男、本当に何を考えているのか全く分からない。祭りの喧騒の中で、貴族が靴磨きの女と歩くことを「ただの悪ふざけ」と言い放つあの余裕が、逆に痛々しいというか、哀しい感じすらする。自分をどれだけ卑下しても、どこか漂う高貴な空気を消せないのが、彼が背負っているものの重さを示しているみたいで胸が苦しくなる。アデルが彼を観察するたびに感じる違和感も、まさにそういう「隠せない本質」に対するものなんだろうな。
何よりもグイドから聞いた話が衝撃的すぎた。シルヴィアが病気で死にかけていた時、チェーザレが冷たく突き放した裏で、誰にも言わずに優秀な医者を呼んで新しい薬まで用意していたなんて。本当に救いようのない悪党なら、そんな面倒なことなんて絶対にしない。わざわざ相手を傷つけるような残酷な言葉を吐いて、その影でこっそり手を差し伸べる。なんて回りくどい生き方なんだろう。自分の善意を認めたくないのか、それとも優しさを見せること自体を嫌悪しているのか。どちらにせよ、彼が自分の流儀として「悪?放蕩?」を貫こうとする姿に、歪んだ愛情を感じてしまって、ぞくぞくした。
グイドとシルヴィアが幸せそうに踊っているのを見て、チェーザレは一体何を思っているんだろう。自分とは正反対の「身分を越えた愛」を貫く二人を、滑稽だと思っているのか、それとも憧れに近い感情を抱いているのか。グイドが「同志」なんて言っていたけれど、チェーザレにとっては、自分には手に入らないものを体現する彼らを、壊さないようにそっと守るのが唯一の「祭りの楽しみ」なのかもしれない。アデルが抱く兄への複雑な感情が、この夜の出来事でさらに深く、重くなっていくのが伝わってくる。エズラが探しに来た時のあの絶望的なタイミングも含めて、この後の展開が怖くて仕方ない。
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🚨きっとチェーザレは、自分が手放してしまった大切な何かを他人が懸命に守ろうとする姿を見ることで、自分の中に残るわずかな人間性をかろうじて保っているんじゃないかと思う。
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77話:感想・考察|🥀アデルの絶望、カーニバルの嘘に翻弄され散る純心

嘘にまみれた激情の口づけに号泣。カーニバルの仮面の下で、お互いを騙し合う残酷な遊戯。愛しているはずなのに、口から出るのは否定の言葉。アデルの流す涙は本物なのに、全てを「遊び」と切り捨てられる絶望に胸が張り裂けそうになった。
エズラの追跡から逃れるように、チェーザレはアデルを強引に連れ出し、人気のない船へと隠れる。緊迫した状況の中、チェーザレはアデルを抱き寄せ、自分への感情を問い詰める。拒絶しながらも、チェーザレの激しい愛撫と口づけに抗いきれず、涙を流してしまうアデル。愛しているからこそ、全てがゲームだとするチェーザレの冷酷な態度に耐えかねたアデルは、彼に自分の気持ちを問う。しかし、今日が互いを騙し合う「カーニバル」である以上、チェーザレの言葉に誠実さはなく、アデルは張り裂けんばかりの絶望の中で声を上げて泣き崩れるのだった。
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もう、言葉にできないくらい苦しい。エズラが必死にアデルを呼ぶ声が聞こえてくるのに、チェーザレはその声をBGMにするみたいにアデルを抱き寄せて逃げ込んでいく。あの独占欲といい、力ずくで自分に注目させようとする姿といい、チェーザレは本当に悪魔だと思う。アデルがどれだけ抵抗しても、耳元で愛を囁かれるだけで表情が真っ赤になってしまうなんて、本能で彼に抗えない自分にアデル自身が一番絶望しているはず。
口づけシーンがまた、凄まじい熱量だった。魂まで飲み込むような激しさで、アデルも分かっているんだと思う。こんなに深く、痛いくらいに抱きしめられて、これが愛じゃないはずがないって。でも、現実のチェーザレは、アデルが最後にすがった「私を好きなの?」という切実な問いかけに対して、カーニバルという盾を使って逃げた。全部ゲームだなんて、あんなに情熱的に抱き合っておいて、どの口が言っているの? アデルが流した涙が、そのまま私の心に突き刺さった。本気になればなるほど自分が惨めになるって、一番残酷な恋の罠じゃないか。
チェーザレの方も、心の中で「嘘をつく日になぜ真実を求める?」と自問自答しているのが、逆に彼の弱さを表しているみたいで腹が立つ。本当に遊びなら、あんなに苦しそうな顔でアデルを見つめる必要なんてないはず。二人とも、互いを傷つけ合うことでしか繋がれない関係性に、もう引き返せないところまで落ちてしまっている。アデルが悲鳴にも似た声を上げて泣き崩れる姿は、もう見ていられないほど生々しくて、狂おしいほど切ない。このカーニバルが終わった時、二人の間に残るのが愛なのか、それとも取り返しのつかない破滅なのか。どちらに転んでも幸せにはなれそうにない予感しかしなくて、胸が締め付けられる思いだ。
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🚨きっとアデルは、チェーザレの真意が遊びだと分かっていても、その激情に触れた瞬間だけは愛されていると信じたかったし、チェーザレはそんな彼女の脆さを利用して、自分の愛が本物であることを認める恐怖から逃げ続けているんだろうな。
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78話:感想・考察|⛓️💥アデルの絶望と行き場のない孤独

アデルの悲痛な叫びと決断に号泣。チェーザレへの拒絶と絶望、そしてエズラにすがるアデルの心の壊れ方が痛々しすぎる。自分の尊厳を守るためとはいえ、ボロボロ泣きながら愛のない関係を強いる姿に胸が締め付けられた。
仮面舞踏会の喧騒の中、チェーザレはアデルへの情愛を自覚し、衝動的に彼女を抱きしめる。しかし、それはチェーザレの独りよがりな愉悦でしかなかった。アデルはチェーザレの傲慢な問いかけに激しく傷つき、絶望の中でエズラにすがりついて関係を持つことを懇願する。アデルの首筋に残る痕跡からチェーザレの行いを知ったエズラは、彼女をホテルへと連れ出すが、アデルを慈しむあまり抱くことを拒んだ。何も起こらなかった夜明け、鏡に映る自分を見つめるアデルは、チェーザレによって植え付けられたその「忘れられない痛み」と、消えない傷跡に深く縛り付けられていた。
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今回の78話、本当に心が削られる思いだった。チェーザレが心の中で思っている「純粋な愛情」と、直後のアデルに対する「残酷な仕打ち」の落差があまりにも酷すぎて、ガクガクと膝が震えるほどだった。自分の中では完璧なプレゼントのつもりでアデルを抱きしめて、あんなふうに笑いかけ、最後にプライドがたたって突き落とす。アデルがどれほど屈辱を感じ、どれほど壊れそうになっていたのか、あの男は本当に何も分かっていない。最後の方で「楽しかっただろう?」なんて聞ける神経が、もう人間としてどこか欠落しているとしか思えない。アデルが震えながら拒絶した後の涙は、本当に魂から絞り出されたものだったよね。あんな言葉、一生許せないし、一生忘れられないトラウマになるよ。
それに対して、エズラの対応はあまりにも優しくて、それゆえにアデルを余計に追い詰めてしまった気がする。アデルの首筋のキスマークを見た瞬間の、あの震える手。怒りよりも先に、どれだけアデルを大切に思っているか、どれだけ彼女が傷ついているかを瞬時に理解してしまったんだろうね。ホテルでのエズラは、アデルが求めたものをあえて拒んだ。彼女の記憶を痛みで塗りつぶしたくないという、あまりにも切実で尊い愛の形だったけれど、アデルにしてみれば、その「何も起こらなかった夜」こそが、自分の汚れた現状を突きつけられているようで、余計に苦しかったんじゃないかな。
アデルが鏡を見つめるラストシーンが、もう本当に重い。結局、チェーザレという毒は、拒絶しても無視しても、アデルの心の中にしつこく根を張ってしまった。エズラの優しさに触れれば触れるほど、自分の惨めさや「こういう人生を歩むしかないのか」という諦念が強くなっていく。あんなにも綺麗で純粋だったアデルが、チェーザレという男にここまで追い詰められて、自分の価値を見失っていく姿を見るのは本当に辛い。でも、このどうしようもない行き止まり感こそが、この物語から目が離せなくなる理由でもあるのかな。アデルが鏡の中で見たのは、かつての自分ではなく、もう二度と戻れない壊れた自分自身だったのかもしれないね。
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🚨きっとアデルは、自分の心を守り抜こうと必死になればなるほど、チェーザレが残した呪いのような記憶に縛り付けられ、エズラの慈愛さえも素直に受け入れられないほど、深く深く傷ついてしまったんだろうな。
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79話:感想・考察|⚓️呪われた船、過去の名前と運命が絡み合う

エルギの「誠実さ」に苛立つ。美しい顔以外に何があるのかと自虐するアデルに対し、否定すらしないエルギ。その余りにも誠実で冷徹な態度は、アデルの心を深くえぐるナイフみたいだ。でもエルギ、本心は隠してるんだよな‥。
婚約式を控え、自身の名を冠した豪華な大型船「アデライデ」の進水式に出席するアデル。華やかな祝いの場で、アデルは複雑な感情を抱えながらも平静を装う。式を離れ、静かな場所を求めたアデルはエルギを伴い桟橋へ向かう。そこで彼女が目にしたのは、かつての思い出と繋がる、名前を変えられボロボロに朽ち果てた一隻の船「アデル号」だった。関係者からその船の忌まわしい噂を聞かされたアデルは、捨てられようとしている事実に静かな衝撃を受ける。そんな彼女の動揺を察し、エルギは無理やりその場を立ち去らせようとするのだった。
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79話、「アデライデ号」の進水式という華やかな舞台と、桟橋に放置された「アデル号」という名の成れの果て。この対比が残酷すぎて、て胸が苦しくなった。華々しい「アデライデ号」が祝福される裏で、もう一つの「アデル号」は、捨てられるのを待っている。自分の名前がそんな風に扱われているのを見るのは、どれほど屈辱的で悲しいことだろう。アデルが過去の自分を重ねてしまうのも無理はない。あの船のボロボロになった帆は、まるで今の彼女の張り詰めた心の状態そのものに見えた。誰にも気づかれず、ただそこにあるだけで「不吉」だと切り捨てられる船の姿が、どうにも他人事とは思えなくて切ない。
そしてエルギだよ。本当に、この人はどうしていつもこうなんだろう。アデルが自分を卑下するような問いかけをした時、否定もしないで黙り込むなんて。その沈黙こそが、一番のアデルへの否定にも聞こえるし、逆にそれ以上に何も言えない何かが彼の中にあるようにも思えて、かえって心拍数が上がる。エルギは本当にアデルをどう思っているのか、それとも本当にただの「誠実」なだけなのか、その感情の温度差が全然読めなくてイライラする。アデルが一番求めている言葉を、この男は絶対に口にしない。二人の間の空気が、チェーザレとの間にはない空気感が多々酔っていて、なんだか心がザワザワする。
アデル自身も、自分の顔に価値しかないと思い込んでいるのが本当に痛々しい。何度も何度も自分を傷つけて、それでも気高くあろうとするその姿が、余計に脆く見える。今回の船の一件で、アデルの心の中にあった「捨て去りたかったもの」が、実はまだ消えていなかったということが突きつけられた気がする。解体される船の運命と、アデルがこれから歩もうとしている道が重なって見えるようで怖い。彼女はこれから、この呪いみたいな過去とどうやって向き合っていくんだろう。エルギという掴みどころのない男に守られながら、少しずつ自分が自分でなくなっていくような、そんな焦燥感が伝わってくる回だった。
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🚨きっとアデルは「アデル号」を見て、過去の自分が作った楔のような存在と対面してしまい、自分が何を失い、何が残っているのか、その残酷な現実に打ちのめされていたんだろうな。
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80話:感想・考察|💍アデルの決意、偽りの愛を胸に永遠の別れへと

グイドの最愛の死に心が砕け散る。シルヴィアの冷たくなった顔を見て、涙も枯れ果てたように呆然とするグイド。あれほど懸命に愛した二人の結末が、こんなにも無残な終わり方だなんて。運命の残酷さに息が詰まり、やるせなさで胸が張り裂けそうになった。
シルヴィアの死により、グイドは深い絶望の淵に沈んでいた。父の冷ややかな批判を受け止めながら、彼は愛の結末の儚さを噛み締める。一方、婚約式を控えたアデルは、エズラからの贈り物であるピアスを身につけるため、決意と共に耳を開く覚悟を決めていた。過去の地獄を乗り越え、これからは穏やかな人生を歩もうと、自分に言い聞かせながら。そこへ現れたチェーザレは、アデルがエズラを愛しているか執拗に問い詰める。アデルは笑顔で肯定するが、チェーザレの胸には狂おしいまでの執着が渦巻いていた。彼はアデルとの誓いを果たすべく、運命を歪めるための最後の一歩を踏み出そうとしていた。
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80話、もう胸が締め付けられて本当に苦しい。グイドの悲しみは、見てるこっちまで魂が削られるみたいだった。あんなに鮮やかに輝いていたシルヴィアが、ただの棺の中の存在になってしまって、もう二度と目が覚めないなんて。グイドの父親の言った「絆もいつかは朽ちる」っていう言葉が、呪いのように深く突き刺さる。愛なんて、結局は死や現実という名の現実に踏みにじられてしまうのかと思うと、ただただ虚しくて涙が出る。グイドの「賢くあれ」という願いが、チェーザレには全く届いていないのが、この物語のどうしようもない悲劇だよね。
そしてアデル。彼女が必死に自分を納得させようとする姿が、健気すぎて直視できない。エズラの優しさを信じて、過去のすべてを清算して、真っ白な未来を歩こうとしている。ピアスを耳につけようとする行為が、彼女が過去の自分と決別して、新しい関係に縛られることを選んだ証拠みたいで震えた。でも、そんなアデルの前に現れたチェーザレの不気味さが本当に異常だよ。「結婚する、愛している」というアデルの嘘を見抜いているのか、それとも見抜いた上でなおも破壊しようとしているのか。
「成し遂げなければならない」というチェーザレの狂気ともとれる想い、あれはもう愛情なんて生易しいものじゃない。アデルを自分のものにしたいという独占欲と、運命そのものへの挑戦だ。二人の間にある溝が、どんどん深まって、もう戻れないところまで来ているのが手に取るようにわかる。アデルの最後に見せた笑顔が、これ以上ないほど悲しい別れの合図に思えて、この先何が起きるのかと思うと怖くてたまらない。チェーザレは一体、何を「成し遂げよう」としているんだろう。愛が残酷な形で歪んでいく様子を、これ以上は見たくないような、でも目が離せない。このどん詰まりの空気、本当に息が止まりそうだわ。
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🚨きっとチェーザレは、グイドの悲しみや周囲の忠告さえも踏み越えて、アデルを自分の手元に閉じ込めることが唯一の救いであり、自らの愛の証明だと勘違いして、破滅の道を突き進んでいくんだろうな。
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