はぁ愛美の恋愛事情が切なすぎるし、玲央がここでそんなこと言うのは反則でしょう! 蓮との再会は、ただ昔好きだった人にもう一度会えました、なんて簡単な話じゃないんですよね。愛美には、何も言わずに去っていった蓮を雪の中で必死に追いかけた過去がある。別れの言葉すら交わせなかった彼女にとって、今さら蓮が昔と変わらないような顔を見せてくるのは、嬉しいだけで済むはずがないんです。しかも蓮のほうも、愛美を前にすると気持ちが隠しきれていないような瞬間があって、もう見ているこちらの心が忙しい! なのに玲央は玲央で、愛美との時間を楽しみながら、ずっと抱えていた想いをまっすぐ伝えてくるんですよ。愛美にとって蓮は簡単に割り切れない相手だし、玲央の気持ちだって軽く受け流せない。過去に残された想いと、今ここにある愛情。どちらも胸に響くから困っちゃうんです。
116話|過去に別れを告げた先で、蓮と屋上で再会する
行かないでと泣き叫ぶことすら許されなかった愛美の過去がつらすぎる。
眠っている蓮に袖を掴まれて「行かないで」なんて頼まれたら、普通なら心が揺れるでしょうよ。でも愛美の場合、そんな簡単な話じゃないのよね。だって、彼女が本当に言ってほしかった言葉は、あのときに全部置き去りにされたんだから。今になって寝ぼけながら引き止められても、そりゃ顔をそらしたくもなるわ。
学生時代の愛美がもうつらい。蓮が海外へ行くと知って、雪の中を必死に走り、何度も電話をかける。なのに、つながらない。別れたくない、行かないでと伝えたくても、相手には届いたのかすら分からない。最後になるかもしれない留守番メッセージに、泣き声しか残せなかったなんて…。いや、これは引きずるわよ。好きな人がいなくなるだけでも苦しいのに、自分の気持ちを伝える機会すら与えられなかったんだもの。
愛美が今の蓮に腹を立てる気持ちも、すごく分かる。どうして去ったのか聞きたかったし、愛していたと言ってほしかった。恨みたいのに、忘れられない。憎みたいのに、答えを求めてしまう。好きだった気持ちが大きいほど、何も分からないまま残された側は、いつまでも自分を納得させられないのよね。
ところが、蓮のスマホに遥から着信が来た瞬間、愛美の中で何かが切り替わる。以前ホテルで一緒にいた人物だと気づいて、ふっと笑うのがまた切ない。もう聞かなくても答えは分かる、過去に縛られなくていい。そうやって自分に言い聞かせるように、掴まれた手を外して出ていくのよ。ああ、愛美はずっと、蓮の気持ちを知りたかっただけなのにね。
そして今度は蓮の夢。母親に電話しても応答はなく、病院からの通知が届き、愛美との思い出の中では彼女が目の前から消えてしまう。学生時代の愛美がバスに乗る場面で、今度は蓮が「行かないで」と願うのが苦しい。ふたりとも失うことを恐れていたのに、肝心なときには気持ちを届けられなかったのね。目覚めた蓮が愛美の残したメモを見つけたあと、屋上でふたりが顔を合わせる展開も気になるわ。愛美はもう前に進もうとしている。でも蓮は、まだ彼女を手放せていないのかもしれない。あの雪の日に言えなかった言葉、今度こそ間に合うのかしら。いや、ここまでこじれたふたり、そんな簡単に心が通じるとも思えないのよ……。
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117話|愛美と蓮が10年の変化をめぐってぶつかり合う
10年も離れていた相手に、昔と変わらないなんて簡単に言わないで!愛美だっていろいろあったのよ。
うわ、蓮の呟くイチゴ味で全部持っていかれたんだけど! いやいや、蓮、さっきまで愛美に変わっていないだの、付き合う相手の好みも同じだの、ずいぶん偉そうなことを言っていたのに、結局そこなの? しかも愛美が去ったあと、口紅のついた煙草を見つめて自分もくわえるなんて、ちょっと待って、何を考えているのかしら。
愛美だって必死なのよね。好きにならない、嫌いにならない、気にしない。そうやって自分の感情に線を引こうとしているのに、蓮が玲央との連絡を気にすれば反応してしまうし、昨夜の「行かないで」という言葉も確かめずにはいられない。しかも本人は覚えていないなんて、そりゃ気になるでしょうよ! あんなふうにすがられた記憶が自分にだけ残っていたら、期待していいのか、勘違いなのか、頭の中が忙しくなるに決まっているわ。
それにしても、蓮の「昔と変わっていない」という言葉は、愛美には腹が立つでしょうね。10年よ、10年! その間に何を経験して、どんな気持ちを抱えてきたのか、本人にしかわからないことだってあるのだから。だからこそ愛美は、変わったと証明するように煙草をくわえるわけだけれど、普段吸わない人が急に格好をつけたところで、そりゃむせるわよ。強がりの代償が喉にくるの、あまりにも愛美らしくて笑ってしまった。
でも、蓮の言葉も単なる意地悪では片づけられない気がするの。飴を食べる愛美を見て、学生時代のイチゴ牛乳や一緒に過ごした時間がよみがえる。本人は変わったと言い張っても、蓮の中には今の愛美と昔の愛美を結びつける記憶がちゃんと残っているのよね。もちろん、それだけで恋心が確定したなんて言えないけれど、あの視線とつぶやきは気になるじゃないの。
愛美、無理して大人ぶらなくてもいいのよ。変わったところも、まだ変わらないところも、どちらもあなた自身なんだから。蓮の前で強がる姿はかわいいけれど、どうか自分の気持ちまで置き去りにしないでね‥そう言いたいわ。
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118話|再会した来夢に、愛美の心は簡単にはほどけない
誕生日に昔の傷をえぐられ、職場では蓮の怪しい噂まで耳に入る愛美。もう勘弁してあげて‥。
ああもう、愛美の誕生日くらい普通に楽しく過ごさせてあげてよ…!せっかく両親がケーキまで用意してくれたのに、まさか8年近く会っていなかった来夢まで登場するとは。しかも、両親にとっては仲のよかった二人が仲直りするきっかけでも、愛美にとっては笑って済ませられるような話じゃないのよね。来夢が何をしたのか、愛美は両親に言えずにいるから。親を悲しませたくない気持ちもあるだろうし、過去を説明するだけでも、当時の嫌な感情を引っ張り出すことになるもの。だからこそ、久しぶりの再会に笑顔を返していても、心の中まで元通りになったわけじゃないのが伝わって苦しくなるわ。
それなのに来夢ったら、愛美がまだ怒っていると思っていた、会いたかったし自分のことも恋しく思っていてほしかった、ですって。いや、会いたかった気持ちそのものはわかるのよ。でも、愛美がどうして距離を置いたのか、その理由を本当にわかっているの?自分が寂しかったことと、相手が受けた傷は別の話じゃない。愛美が鋭い目で問い返したのも当然だと思う。ここで簡単に仲直りしてしまったら、愛美が抱えてきたものは何だったの、となってしまうものね。
そして会社に戻れば、今度は蓮の噂話。仕事へのこだわりを変わり者扱いされ、アメリカにいた頃の話まで勝手に広げられるなんて、本人が聞いたら気分がいいわけないでしょうに。愛美だって過去のことで頭がいっぱいなのに、また別の問題まで目の前に転がってくる。関係ない、私は巻き込まれない、と自分に言い聞かせているところも、気になるからこそ意識してしまう感じがあるのよね。
ところが、同僚たちが蓮の悪口を言いながら近づいてきた途端、愛美は彼を物置へ押し込む。ちょっと待って、さっきまで関係ない顔をしていた人の動きじゃないのよ!蓮を噂から守りたかったのか、それとも彼が自分の知らないところで傷つけられるのを見過ごせなかったのか。しかも扉には、閉めると開かなくなるという注意書きまであるじゃない。愛美、そこ確認してから押し込もうよ…!ただ、あれだけ関わらないと決めていた彼女が、どうして蓮を守るような行動を取ったのか、その気持ちは本人にもまだ説明できないのかもしれないわね。
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119話|ゴキブリ騒動のはずが‥?!
愛美、怖がりすぎて蓮に抱きつくのは仕方ないとして、誕生日おめでとうの破壊力よ!
ちょっと待って、愛美!!ゴキブリが出た瞬間に蓮へ飛びつくのは分かる、分かるけど、さっきまで倉庫のドアが開かないって困っていた人が、次の瞬間には彼にがっちりしがみついているの、展開が忙しすぎるでしょう!しかも蓮も蓮で、慌てる愛美を受け止めて、そのまま抱き寄せちゃうんだから、私の心の準備が追いつかないのよ。虫一匹で恋愛イベントが発生するなんて、誰が予想したっ!
それにしても、愛美の怖がり方が必死すぎて、本人には申し訳ないけれどちょっと笑ってしまう。蓮に下ろしてもらったと思ったら、またゴキブリが動いて再びぎゅっ!もう自力で立つ気があるのかって(笑)。でも、そんな愛美を無理に引き離すのではなく、電話を続けるよう促す蓮には、ちゃんと彼女を気遣う優しさが見えるのよね。普段の二人の距離を考えると、この自然な近さが余計に気になってしまうわ。
そして、今回いちばん引っかかったのが心臓の鼓動。愛美は怖いからドキドキしている。それは本人にも説明がつく。でも、蓮の心臓まで速く打っているのはどういうことなの!?彼もゴキブリが怖かったのかしら、なんて冗談で片づけたくなるけれど、愛美自身がそこに気づいてしまったのが大きいのよね。自分だけが動揺していると思っていたのに、相手も同じように落ち着かない。ほんの小さな変化なのに、二人の間にあるものを考えずにはいられなくなるのよね。
そこへ追い打ちをかけるように、蓮からの「誕生日おめでとう」。いや、ちょっと待って。覚えていたの? 愛美が驚くのも当然だし、すぐに気持ちを整理できないのも無理はないわ。しかも、いい雰囲気になりかけたところで倉庫のドアが開き、おばさんが登場するタイミングまで絶妙。愛美が慌てて離れる姿も、同僚が二人を見て何かあると察する流れも、隠したい気持ちがあるときほど周囲に気づかれるという、あの落ち着かなさがよく出ているし。
退社後も、愛美の頭から蓮の言葉は離れない。自分の誕生日を覚えていたのかもしれないと思った途端、慌てて考えを振り払うところに、期待したい気持ちと期待するのが怖い気持ちが見えるのよね。そんな帰り道に今度は玲央から高級車へのお誘い。蓮のことで頭がいっぱいなのに、玲央まで現れるなんて、愛美の心が休まる日はいつ来るのかしら。…それにしても、あの心臓の音、蓮は何を思っていたの? 誕生日まで覚えていた理由も、気になって仕方ないんだけど。
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120話|玲央の二度目の告白に愛美の余裕が吹き飛んだ
誕生日に昔の思い出に笑っていたら恋心まで顔を出すなんて、今日の愛美は逃げ場がない‥。
いやいや、愛美さん、自分から「私のこと好きなの?」って玲央に聞いちゃうの!?今まで玲央を散々振り回してきたあなたが、ここにきて急に恋愛初心者みたいになっているんだけど。しかも聞いた瞬間に我に返って口を押さえるの、もう遅いのよ!言葉って一度出たら回収できないんだからね。とはいえ、そこまで自然に口から出てしまったのは、愛美の中で玲央の存在がそれだけ大きくなっていたからなのかもしれない。
今回の誕生日デート、派手な演出よりも二人らしさが詰まっていて好き。ゲームセンターでは得意げに勝負を仕掛け、玲央が何か言おうものなら誕生日のお願いを盾にする愛美。いや、お願いの使い方が自由すぎるでしょう。玲央も玲央で、文句を言いながらちゃんと付き合ってくれるのがいいのよね。昔と同じように言い合える関係って、気を使わずにいられる安心感があるもの。
そしてカラオケですよ。高校時代の思い出がよみがえり、玲央の歌が下手だったことまで思い出して笑っている愛美が、なんだか楽しそうで。二人にとって歌は、ただの暇つぶしじゃなく、一緒に過ごした時間を思い出せるものなのね。玲央も最初は歌う気がなさそうだったのに、結局マイクを受け取って歌うんだもの。はいはい、あなたも十分楽しんでいますよねって。
でも、今回いちばん大きいのは、愛美が自分を好きになってくれる人の存在を、ちゃんと信じ始めたことだと思う。これまでの愛美は、恋愛の可能性を考えても、どこか自分とは結びつけられなかったのかもしれない。ところが玲央と過ごすうちに、心の奥にしまっていた疑問が口からこぼれてしまう。しかも玲央は、曖昧にごまかさず「好きだよ」と答えるのよ。二度目の告白なのに、今度は愛美のほうが動揺しているのがたまらないわ。
玲央の余裕ある笑顔もずるいし、愛美の驚きっぷりもかわいい。だけど、ここから先は甘いだけでは済まない気もするのよね。玲央の気持ちを知った愛美が、今度は自分の恋心とどう向き合うのか。そして二人の関係が、昔からの親しさを越えて変わっていくのか。誕生日の楽しい一日が、愛美にとって忘れられない転機になりそうで、どんな顔で玲央と向き合うのか気になって仕方がないわね。
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