エノク、もうちょっと自分を大事にしてくれぇぇぇ! と言いたくなるくらい、エノクの人生がしんどい。夢の中で出会った相手の手をつかもうとして目を覚ます幼いエノク。そこからずっと、その人に会いたい気持ちを抱えているのに、母親には思うように愛してもらえず、皇帝からもひどい扱いを受ける。しかも、ただ寂しいだけじゃないんですよ。心臓の痛みも熱病も、一族に受け継がれた呪いが関係しているなんて、背負わされるものが多すぎる!そんなエノクのそばにいてくれるのがギナスなの、この人もただ優しいだけでは片づけられない事情を抱えているのがまた気になるところ。エノクが傷つきながら大人になっていく姿には胸が痛むし、愛されることを諦めかけている姿には「いや、幸せになってくれ!」と願わずにいられません。そして二十歳になったエノクが、ロゼンタで夢の相手を思わせる人物に出会うんです。ここまで苦労してきたエノクに、ようやく希望の光が差してきた?!
26話|エノクが知った愛されない運命と一族を縛る呪い
【エノク・イノビス・ナサントラ(2)】…エノクの胸の痛みも、夢で出会った子を求める気持ちも、一族の過去につながっていた、エノクからしたら知らんがな案件すぎるでしょう!
エノクがこの先どうなってしまうのか、心配になってしまった。夢で出会った子にもう一度会いたいだけなのに、そのために眠る時間を増やして、とうとう胸まで苦しくなるなんて。幼い子が抱える悩みとして重すぎるでしょう…。しかも、母・レティナとの関係もなかなかつらい。普段は自分が苦しんでいても来てくれないのに、今回に限って様子を見に来るんだもの。エノクだって、どうして今さら?と思うわよね。母親に気にかけてほしい気持ちがあったとしても、これまでの態度を考えたら、素直に甘えるのは難しいはず。エノクの反応が冷たくなるのもわかる気がする。
それでも、夢の中で会った子のことは諦められないんだよね。お酒を飲めば会えるかもしれない、ずっと眠っていれば会えるかもしれない。子どもなりに必死で方法を探しているのが、もう切ない。周囲から見れば突然いなくなったり、体調不良で寝込んだりする困った皇子なのかもしれないけれど、本人にとっては簡単に割り切れる話じゃないのよ。
そして、ようやく胸の痛みの理由がわかったと思ったら、まさかの一族に伝わる呪いって!魔法が使えるのは特別な力だけれど、その代わりに愛する人から愛されないって、全然うれしくない特典じゃないのよ。しかも発端が先祖イノビスの行動って、エノクからしたら自分の知らない昔の出来事にまで人生を振り回されているわけで、たまったものじゃない。
竜を裏切ったイノビスが呪いを受け、その苦しみが子孫にまで続いている。母が語る昔話も、ただの伝説ではなく、エノク自身の胸の痛みにつながっているのが怖いところ。今まで原因もわからず苦しんできたエノクにとって、ようやく理由がわかったことは大きい。でも、理由がわかったからといって解決したわけではないのよね。
それどころか、夢で出会った子を求める気持ちまで、この呪いと関係しているのではないかと思うと、これから先が心配になる。誰かを好きになることは、本来ならうれしいことのはずなのに、エノクには苦しみの始まりになってしまうかもしれないわけよね。まだ幼い彼が、これからどんな気持ちで人を愛していくのか。知りたい気持ちと、そんな運命なんて背負わないでほしい気持ちが入り混じって、エノクを思うほど切なさが強くなってくる。
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27話|ギナスはレティナに恋をしていた?!
【エノク・イノビス・ナサントラ(3)】…レティナ、愛されたいなら心を見せるなって、そんな悲しいことを子どもに教えないでよ。
いや、エノク、それは見たくなかったでしょうよ…。せっかくギナスから本をもらって、ほんの少しだけ気持ちが救われたかもしれないのに、返しに来た先で母とギナスの親密な姿を目撃するなんて、タイミングが悪すぎるのよ!そもそも、レティナがエノクに教えていることが切ないのよ。運命の相手を見つけないと体調が悪化するという事情だけでも重いのに、愛されたいなら絶対に心を見せるな、自分の弱さも秘密も隠せって。いやいや、子どもに何を背負わせているのよ。エノクだって好きでこんな状況に生まれたわけじゃないでしょうに。
しかも、レティナ自身も愛されることに苦しんできたからこそ、そう教えているのがまた厄介なのよね。息子を守るための忠告なのかもしれないけれど、これではエノクが誰かを信じて頼ることまで難しくなってしまうわ。愛情が欲しいのに、愛情を求めていることすら隠さなきゃいけないなんて、あまりにも窮屈だわ。
そんなエノクがギナスに本当の気持ちをぶつける姿は、見ていて苦しくなった。母が自分を守ってくれないことは、もうわかっている。それでも、ベルティナまで離れてしまった今、母だけは失いたくない。だからギナスに対して、どうして自分からそれまで奪おうとするのかと泣いてしまうのよね。普段は必死に隠している寂しさが、とうとうあふれちゃった感じ。
そこでギナスが渡した本が、また絶妙なのよ。慰めの言葉を並べるわけでもなく、ただ読めと本を差し出す。ぶっきらぼうだけど、エノクにとっては寂しい時間をやり過ごす助けになった。もしかして自分を気にかけてくれたのかもしれない。そう思ったとしても不思議じゃないわ。なのに、見てしまった母とギナスの姿よ。エノクが本を握りしめているのが、もうつらい。返しに来ただけなのに、二人の関係を疑いたくなるような光景を目の前にしてしまった。ギナスの気遣いが本物だったとしても、母との関係は別の話。エノクがどう受け止めるのか、簡単には割り切れそうにないって。
しかも、ギナスは何かを知っていてエノクに近づいているのか、それとも本当に不器用な気遣いをしただけなのか、まだ判断できないのよね。エノクがようやく誰かの優しさに触れかけたところで、また疑わなければならない状況になるなんて。これ以上、エノクの心の逃げ場をなくさないでほしいのだけど、母とギナスの関係が見えないままなのが、どうにも嫌な予感しかしないわ。
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28話|過ごしたエノクの日々、14歳の夏が終わりを告げる
【エノク・イノビス・ナサントラ(4)】…ギナスもエノクも、レティナを大切に思う気持ちがあるからこそ苦しいのよね。愛しているのに傷つくって、どうしたらいいのよ……。
ギナスがエノクに本を渡しに来るようになったの、ちょっとホッとしたわ。皇居の中で好き勝手に傷つけられて、母親のことでも悩んで、エノクには安心して過ごせる時間がほとんどないんだもの。そんな中で本を通じて誰かとつながれるって、そりゃ大事よね。しかも相手が、最初は何を考えているのかよく分からなかったギナスなのがいいじゃないの。
ただ、この二人の母親をめぐる話がしんどい。エノクはギナスが母親の行動を受け入れていることに納得できないし、ギナスは伝えたところで何も変わらないと考えている。どちらの言い分も分かるから、簡単にどっちが正しいとも言えないのよね。エノクは母親を愛しているからこそ、ギナスにも同じような気持ちがあるのか知りたい。でも、ギナスから返ってくるのは、そんな気持ちだけではどうにもならない現実だと‥。二人ともまだ子どもなのに、背負わされているものが重すぎるわ。
しかもエノク、自分が皇帝に抵抗したら母親まで傷つくかもしれないと思って耐えているのよ。もう、どこまで自分を後回しにするの…。母親が好きだから守りたい。でも、その母親は酒に酔うと皇帝・エベンとギナスの区別さえつかなくなる。エノクが「自分も母親のようになるのでは」と不安になるのも無理はないし、愛することそのものに怖さを感じ始めているのが切ないのよね。
そんなエノクが夢見たのは、皇居の外で暮らすこと。ずっと春が続く国や、一日中踊れるお祭りの話をする姿には、普通の子どもらしさが残っているのよね。ギナスも一緒に連れて行く可能性を口にしていて、二人でここから抜け出せたらどんなによかったか。大きな希望じゃなくても、未来を想像できる時間があったことが救いだった。なのに14歳の夏、母親について好き勝手に噂する貴族たちを前に、エノクがついに手を出してしまうわけよ。今まで自分が傷ついても耐えてきた子が、母親のことになると黙っていられなかったのね。いや、そこで殴っちゃうのか!気持ちは分かる、分かるけど、これは絶対に面倒なことになるじゃないの…!
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29話|アガンテへ追放された14歳~20歳のエノクの過去
【エノク・イノビス・ナサントラ(5)】…父の皇帝から追放同然の処分を受けたエノク。過酷なアガンテで生き延び、夢の中の相手を心の支えにする一方、自分は選ばれない人間だと‥切なすぎるって。
あぁぁぁぁ、エノク、まだ十四歳なんですけど…。魔法が目覚めたかもしれないという大きな変化が起きたのに、待っていたのは祝福でも心配でもなく、幽閉と流刑ってどういうことなの。しかも、目の前で母親が目を逸らすんですよ。ここがもう、つらい。父の皇帝がひどいのはもちろんだけど、エノクにとって最後の頼みの綱だったはずの母まで何も言えない。その光景を見せられるの、あまりにも残酷だわ。
アガンテに送られてからも、エノクの人生は全然楽にならないわけで‥。魔法が通じない土地で、まともな軍事訓練も受けていないまま兵士として生き延びろって、皇帝はどこまでエノクを追い詰めれば気が済むのか。毎日が生き残るだけで精いっぱいなのに、熱病に苦しみ、傷跡は増え、味覚まで失っていく。十八歳のエノクが自分の姿を思い浮かべながら、夢の相手に本当のことを話しても受け入れてもらえないだろうと考える姿には、胸がぎゅっとなるって。
だって、エノクが求めているのは、ものすごくぜいたくな願いじゃないのよ。夢に出てくる相手を見つけて、そばにいてほしい。それだけなのに、自分には選ばれる価値がないと考えてしまう。皇帝から浴びせられた言葉も、母が置かれていた立場も、全部がエノクの中に積み重なっているんだろうな。鏡に映る自分と向き合う姿なんて、もう自分で自分を傷つけるような考え方になっていて苦しいよ。
さらに母まで亡くなってしまうなんて…。皇帝への怒りが募るのも当然だし、二十歳になって兄の反乱に協力する流れには、ここまで耐えてきたエノクの時間が詰まっている気がするわ。皇帝が最期まで母を侮辱するような言葉を残したことも、本当に腹立たしいのよ‥エベン、最後まで何なの、この人は。
それでも気になるのは、エノクが夢の相手への想いを捨てきれないこと。会わないほうがいいと考えながら、心のどこかでは会いたいと願っている。この矛盾がエノクらしくて、たまらないのよね。自分を選んでくれる人なんていないと思い込んでいるけれど、エノク自身が相手を選ぶことだってできる。今はまだその一歩を踏み出せなくても、いつか自分の価値を誰かの判断だけで決めなくていいと思える日が来てほしい。夢の相手との出会いが、エノクにそんな未来を連れてきてくれますように。
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30話|ギナスを怒らせる、エノクの自暴自棄
【エノクレトラキ】…夢の中の相手をずっと探して、それでも見つからず諦めかけたエノク。なのにロゼンタで王太子を見た瞬間、運命が急に動きたわ!
いやもう、ギナスが頑張れば頑張るほどエノクの心が遠くに行っちゃうの、見ていてつらいんだけど!新しい名字に領地に大公の爵位まで用意して、兄としてできることをやっているのに、エノク本人は「それで何が変わるの?」という状態。そりゃそうなのよね。名前が変わったところで、自分が抱えている呪いまで消えてくれるわけじゃないんだもの。
しかもギナス、エノクを放っておけないのが伝わってくるのよ。皇居に閉じ込めた後も、本を持ってきたり外に連れ出したり、なんとか気持ちを変えようとしているわけ。でもエノクは睡眠草に頼り続けて、体を心配する兄の言葉も受け止めない。もうギナスの気持ちが空回りしまくっているじゃないの…。心配している側も苦しいけれど、本人だって簡単に切り替えられる状態じゃないんだよね。
そして、夢の中で出会った相手の話。エノク、10代のころはちゃんと希望を持って探していたんだよ。新年祭のたびに相手を探し回って、それでも見つからなかった。これ、ただ探すのを諦めたというより、期待して傷つくこと自体に疲れてしまった感じがする。しかも相手は自分を愛していないと思い込んでいるわけで、そりゃ心を閉じたくもなるわ。ギナスにあれこれ言われても、本人の中で未来を信じる気持ちがなくなっているの‥もう、しんどい。
熱病が18歳を最後に治まったのは救いだけど、再発したら今度こそ危ないという不安は残っている。そんな状況なのに、エノクは自分の体を大切にしようとしない。ギナスがロゼンタ行きを決めたのも、エノクにとっては突然の話だけど、こうでもしないと状況が変わらないと思っているのかもしれないね。
ところがロゼンタに着いた途端、夢の中の相手を思わせる男性が登場!しかも王太子ドリエンで、さらに18歳の王女までいると聞かされる。ちょっと待って、情報が一気に来すぎなのよ! エノクのあの表情、絶対に何かを思い出しているじゃない。ここまで希望を捨ててきた人が、もう一度運命を信じることになるのかな。ただ、似た人物を見つけたからといって、すぐにすべてが解決するわけでもない。エノクは自分の気持ちを閉じ込めているし、相手との関係だって何も始まっていない。ギナスの愛情すら素直に受け取れない彼が、今度は夢の相手とどう向き合うのか。運命の糸がつながりそうなのに、本人の心との距離がまだまだ遠いのがもどかしい!
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