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『枯れた花に涙を』6話~10話|樹里の心が静かに枯れ、蓮だけが「見えないSOS」を拾い続けた!

『枯れた花に涙を』6話~10話|樹里の心が静かに枯れ、蓮だけが“見えないSOS”を拾い続けた!
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気づかないふりをしていた亀裂が、音を立てて広がり始める。冷え切った空気が肌を刺し、すり減っていく心とは裏腹に、向けられる熱と隠しきれない悪意が交錯していく。もう引き返せない場所へと、物語の歯車が静かに狂い出していく――6話~10話。

樹里の心が壊れていく一方で、蓮の想いは少しずつ形を持ち始める。そして鉄平の裏切りが、二人の間に決定的な亀裂を残していく。

6話|蓮が傷だらけの姿で樹里の前に現れる

店主が気にかける樹里の苦労。その夜、コンビニに現れた蓮の姿がただ事じゃない。

蓮が姿を消してからの2週間、樹里が「これくらいの方がよかった」と思っているのが、まず切なかった。仲良くなりたいと言ってくれた人がいなくなったのに、それを自分に言い聞かせるように受け入れているんですよね。鉄平からの連絡を待ちながら、蓮のことまで心の奥にしまおうとしている。樹里は本当に、自分の気持ちを後回しにすることに慣れすぎているよ……。

そんな樹里が、店のために自分から頭を下げるのも苦しかった。どれだけ理不尽なことをされても、「自分が我慢すれば済む」と考えてしまうんだよね。長年そうやって生きてきたから、本人にとっては特別なことではないのかもしれない。でも、店主が借金や掛け持ちの仕事まで気にかけてくれるのを見ると、樹里の苦労をちゃんと見てくれている人もいるんだな、と少し救われた。

そして、その直後ですよ。蓮が現れる。ここはもう、空気が一変した。

樹里のために何かをするのかもしれない、とは思っていたけれど、まさかあの男の前に現れるとは……。しかも蓮の表情や行動から伝わってくるものが、昼間の花屋で見せていた静かな青年とはあまりにも違う。ああ、蓮にはこういう一面があったんだ、と初めてはっきり感じた。

でも、そのあと樹里のいるコンビニに傷だらけの蓮が来るのが、何より胸に刺さった。自分を避けていたはずの人が、こんな姿で目の前に立っているんだもの。樹里だって、ただ驚くだけでは済まないよね。あのとき「他人のままでいて」と言った自分の言葉と、今ここにいる蓮の姿が、きっと頭の中で重なってしまう。

ああ……樹里、こんな蓮を見たら、もう「何もなかったこと」にはできないよ。心を閉じようとしていたところに、こんな形で戻ってくるなんて……切なすぎる。

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7話|傷だらけの蓮が樹里に見せた笑顔

鉄平が亜里沙に見せる気遣いが妙に手慣れていて、樹里の前とは別人のよう。これはさすがに差がありすぎる

蓮が傷だらけで樹里の前に現れたところ、もう胸がぎゅっとなった。いや、何があったのよ……!でも樹里は驚いて終わりじゃなくて、すぐに傷の手当てをしてあげるんですよね。自分だって毎日ボロボロなのに、人の傷を見ると放っておけない。そういうところ、本当に樹里らしいよ。

しかも蓮が「自分が悪いわけじゃなくて、家庭環境のせいで苦労している」と話すのよ。ここで樹里の表情が変わるのが苦しい。だって、自分の幼い頃と重なってしまうんだもの。樹里は蓮を可哀想だと思っただけじゃなくて、「この人の気持ちが少し分かる」と感じたんじゃないかな。だからこそ、前に一度は突き放したのに、自分から「知り合いから始めてもいい」と伝える。嬉しいよ……!蓮、よかったね、本当に。

そして名前で呼びたい蓮に、樹里が「私はおばさんだから、そう呼んで」と返すの、もう……樹里! そこはまだ壁を作るのね。でも蓮は絶対嬉しいでしょう。樹里の瞳に映った自分を思い浮かべて、こっそり笑うなんて、何その顔!そんなに嬉しかったの?もう隠しきれていないじゃない。

なのに、その裏で鉄平は樹里のことを思い浮かべながら「若くて愛嬌のある女性が好き」と平然と話している。いや、待って。あなたが樹里をそこまで疲れさせたんでしょう?毎日働かせて、家事もさせて、それで身なりがどうとか、魅力がどうとか……。あまりにも勝手すぎて言葉が出ない。

しかも樹里は、帰ってこない鉄平をまだ「忙しいんだろう」と気遣っているんですよ。もう胸が痛い。そんな樹里が蓮と連絡先を交換して、「一ノ瀬蓮」という名前を知るんだよね。ほんの小さなことなのに、樹里の世界に新しい誰かが入った感じがして、そこだけ少し息ができた。

……と思ったら最後!亜里沙が鉄平に近づいて、もっと一緒にいたいと誘って、鉄平も嬉しそうに応じるの!?樹里、あなた何も知らずに待っているのよ……。もう本当に、胸が苦しくてたまらないよ!

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8話|樹里が知る蓮の意外な一面と、鉄平の隠された夜

樹里にあしらわれても嬉しそうなの、完全に楽しんでるでしょう~

鉄平が亜里沙と一緒にいる頃、樹里は徹夜明けの身体を引きずりながら、帰ってこない夫を心配して連絡しているんですよね。もう、ここが苦しくて仕方ない……。自分だって限界なのに、それでも「ちゃんと帰ってくるかな」って気にしてしまう樹里に対して、鉄平は近くに泊まっているだけだと冷たく返して、まるで心配する樹里のほうがおかしいみたいな態度。違うよ、樹里。そんなに自分を責めなくていいのに……。

一方の蓮は、もう相変わらず自由すぎる(笑)。昔の同級生と偶然再会したと思ったら、突然その人の靴が欲しいと言い出して、自分の高そうな靴と交換してしまう。しかも相手の靴のサイズが自分よりかなり大きいって、いや、どうしてそうなるの!? 光に理由を聞かれても、蓮は何でもないことみたいに笑っているし、本当にこの人の考えていることが分からない。

でも、花屋で樹里と再会した途端ですよ。ここはもう、蓮の分かりやすさが可愛くて仕方ない。樹里が知り合いになったことを隠しているのに、蓮は「もう知り合いなんだから、自分のことをちゃんと分かっているでしょう」と言わんばかりに自然に距離を詰めてくる。さらに「知り合いなら少しくらいおまけしてくれてもいいのでは」と冗談を言ったかと思えば、今度は樹里の予定まで気にし始める。

樹里も呆れて、「そんなに叱られたいの?」という気持ちで返すんだけど、蓮がまさかの「それなら喜んで叱られたい」と嬉しそうに返してくるの、もう何なの……!普通そこ、少しは反省するところでしょう!

でも、このやり取りが妙に好きなんですよね。鉄平には心配しても鬱陶しがられる樹里なのに、蓮は樹里に気にかけてもらうこと自体を嬉しそうに受け止める。その違いがあまりにも大きくて、樹里が少しずつ「自分を見てくれる人」の存在を知っていく感じがする。

蓮、完全に樹里に構ってほしい人になってるじゃない……!その笑顔で「叱ってほしい」なんて言われたら、樹里だって放っておけなくなるでしょう。もう、この二人どうなっちゃうのよ……!

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9話|樹里が、自分のために花を買う意味を見つめ直す

蓮とのやり取りにほっとした直後、自宅に残された食事が目に浮かぶ

蓮にこのあと予定があるのか聞かれて、樹里が夜勤だと答えるところから、もう蓮の距離の詰め方が可愛いんですよね。しかも樹里に呆れられても、叱られるのが嬉しいみたいに笑う。いや、あなた本当に樹里に構ってほしいのね……!

でも私が一番ぐっときたのは、蓮の靴でした。毎日バラを買っているのに、履いているのは古びた靴。樹里は思わず「花を買うより先に、新しい靴を買ったほうがいい」と考えるんだけど、蓮は「自分が恵まれない環境にいるからって、花を買うことまで我慢しなくていい」と穏やかに返すんですよね。

これ、樹里にはかなり響いたと思う。自分だったらそのお金で生活を優先する、借金の返済に回す、鉄平のために使う……ずっとそうやって、自分自身のために何かを選ぶことを後回しにしてきたんだもの。だから蓮の言葉に気づかされて、「そうよね」と笑えた樹里が、なんだかすごく愛おしかった。ほんの少しだけ、自分のために何かを選ぶ感覚を思い出したみたいで。

その一方で鉄平は、亜里沙の前では他の男性とは違う特別な存在として振る舞っている。でも、家には樹里が朝早くから作った食事が、そのまま手つかずで残っているんですよね。ここ、静かなのに本当に苦しい。樹里の「してあげたい」が、誰にも受け取られないまま残っているんだもの。

そんな樹里に蓮から「今日も頑張って」と連絡が届くのも、すごく対照的だった。樹里にとって蓮は、まだ世間の苦さを知らないような、眩しくてみずみずしい存在なのかもしれない。だからこそ、少し心が軽くなるのかな。

そしてホテルでのひと騒動を譲二があっさり収めてくれて、早く帰れることになった樹里。暗い帰り道さえ穏やかに感じているのに、家では朝の食事が残ったまま……。えっ、ちょっと待って。この静けさ、怖いよ。樹里はまだ何も知らないんですよね。ここから何が起こるの……。この穏やかさが、逆に不安で仕方ないよ。

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10話|蓮と樹里が夜道を並んで歩く中、蓮が樹里の腕に手を伸ばす

蓮の中で何かが動き始めているのかも……。

朝、蓮から届いた何気ない気遣いのメッセージに、樹里の心がふっと揺れるのがいいんですよね。たった一言なのに、今までの樹里の生活にはなかった温度がある。鉄平からは感じられなかった、若さとか優しさとか、まだ何も諦めていない感じ。樹里がそれを「青春の青草みたい」と受け取るの、分かるなあ…。その一方で郁人が蓮の意外な一面を知って驚いているのも、なんだか可愛い。周りから見ても、蓮ってかなり分かりやすく変わってきているのね。

そして鉄平ですよ。樹里には急に甘い顔をするのに、その裏では亜里沙との関係を続けている。しかも自分の後ろめたさを薄めるみたいに、「夫婦の仲はむしろ深まるもの」と都合よく考えているのが、もう…。樹里を自分に尽くしてくれる妻として見ながら、その人の気持ちには向き合わないんだよね。

さらに、樹里を美しくても変化のない花みたいに心の中で扱うところ。いや、それはあなたが樹里の人生を止めているんでしょう、と言いたくなる。樹里は毎日いくつも仕事を掛け持ちして、自分を削りながら生きているのに。その姿を見て「つまらない」って、あまりにも勝手すぎるよ。

そして、その鉄平と亜里沙を蓮が見ていた…。ここで一気に空気が変わった。蓮が二人の姿を写真に残して、それを静かに燃やすのが怖い。怒った様子を見せるわけでもないから、余計に何を考えているのか分からないんですよね。あの火の向こうにある蓮の感情、想像するとぞくっとする。

そんな蓮から、夜に会いたいと連絡が来る樹里。傷のことも気になって、少しだけ会ってみようと思うんですよね。並んで歩きながら、樹里が蓮の背の高さを冗談めかして笑うところは、久しぶりに自然な樹里を見た気がして嬉しかった。

なのに、蓮の視線が樹里の首元で止まる。そこに残っていたものに気づいた瞬間、蓮が何を思ったのか、もう考えるだけで胸がざわざわする。しかも、そこで樹里の腕に手を伸ばすの!? 待って……蓮、今どんな顔をしているのよ……!

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