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『枯れた花に涙を』1〜5話|樹里の心が静かに枯れ始め、蓮の優しさが入り込む

『枯れた花に涙を』1〜5話|樹里の心が静かに枯れ始め、蓮の優しさが入り込む
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どうしてここまで追い詰められなきゃいけないんだろう。鉄平の心ない言葉が積み重なって、樹里が「自分なんて」って殻に閉じこもっていく姿を見るだけで、胸が締め付けられる。自分の価値をどんどん見失っていく彼女の前に現れた蓮の優しさは、救いになるどころか、かえって痛みを浮き彫りにする。避けても伝わってくるその温もりに戸惑いながらも、鉄平の冷たさと別の女の影が容赦なく日常を壊していく。この静かな絶望の中で、二人の男性の間で揺らぐ樹里の心がどうなってしまうのか、目が離せない。もう、胸が痛いなんて言葉じゃ足りないくらい、苦しい1話~5話だった。

1話|蓮の優しさが樹里の止まった時間をそっと動かす

青春のまぶしさと自分の「枯れ」がぶつかる

いちばん苦しくなったのは、樹里が「自分を醜くしているのは鉄平なのか、それとも彼を愛し続けた自分なのか」と考えてしまうところだった。いや、待って。どうしてそこまで自分を責めなきゃいけないの……。裏切られた痛みも、借金も、毎日の過酷な生活も、全部ひとりで抱えているのに、それでも「自分にも原因があるのかもしれない」と考えてしまう樹里が切なすぎる。

しかも、焼肉店で楽しそうに恋をしている人たちを見て、かつての自分を重ねてしまうんですよね。若い店員に「おばさん」なんて言う客に腹を立てて、樹里の美しさをまっすぐ褒めてくれる姿も印象的だった。樹里自身は笑って流しているけれど、たぶんその言葉、心のどこかには残っているんじゃないかな。自分ではもう旬を過ぎたと思っていても、他人から見ればそんなことはない。そのズレがなんとも苦しい。

そして、樹里の一日の予定を改めて見ると、本当に休む場所がないんですよ。焼肉店、ホテル、花屋って……「普通の人間がこなせるスケジュールじゃない」という言葉が、そのまま樹里の今を表している気がする。成人してからほとんど休んだ記憶がないって、もう頑張っているという言葉だけでは足りないよね。

それなのに鉄平は、そんな樹里の生活を知ろうともせず、家では傷つける言葉ばかり投げてくる。樹里が涙を流す理由が、借金そのものより「愛情が先に消えてしまったから」だと気づく場面には、胸をぎゅっと掴まれた。お金なら返すという覚悟があっても、なくなった気持ちは返せないものね……。

だからこそ、最後に蓮が現れるだけで、少しだけ空気が変わるのが分かる。毎日バラを買う彼が、樹里のことを覚えていた。その小さな出来事に樹里が驚くこと自体、今の彼女がどれだけ「誰かに見てもらう」ことから遠ざかっていたのかを感じてしまった。

蓮、あなたはいったい何を見つめているの?樹里がまだ気づいていない何かを、もう見つけているんじゃないの……?

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2話|年下のまっすぐな視線が樹里を揺らす

樹里の「空腹」に気づいたのは、夫ではなく蓮だった。

樹里が自分の人生を「主人公ではなく、誰にも気づかれない脇役みたい」と感じていることが、本当に切なかった。こんなに毎日必死で生きているのに、自分自身の存在まで小さく見積もってしまっているんだよね。だからこそ、蓮が樹里のいる時間に合わせて毎日やって来ていると知ると、ちょっと待って……それ、かなり分かりやすいでしょう!

本人だけが全然気づいていないのも、なんとも樹里らしい。「こんなおばさんを好きになるわけない」と即座に否定してしまうところに、これまで鉄平から受け続けた言葉の影響が見えてしまうんですよね。しかも「相手がいるから」と答える樹里。蓮どころか、今の自分の人生にさえ縛られているように感じてしまって、胸が重くなった。

一方で鉄平は…本当に、どこまで樹里を追い詰めれば気が済むの。自分の都合で求めておきながら、反応がないことまで樹里のせいにするなんて。樹里は朝から味噌汁を作って、音まで気にして、食事を取る時間すら削って働いているのに。そんな生活を続けていたら、心だって身体だって疲れ切ってしまうよ。

だから、花屋でお腹が鳴ってしまう樹里には思わず胸が痛くなった。そこへ蓮が現れて、まさかのサンドイッチですよ。しかも「プレゼントです」って……!さらに飲みかけのコーヒーまで差し出して「毒も入ってません」と真顔で言うの、ちょっと独特すぎるでしょう、蓮。

でも、この一連の行動が妙に優しいんですよね。樹里が空腹なのを見過ごさず、押しつけるでもなく、さらっと差し出してくる。その優しさに戸惑ってしまう樹里がまた切ない。ずっと自分のことを後回しにしてきた人だから、誰かから「あなたも食べて」と気にかけてもらうこと自体に慣れていないんだろうな。

それにしても蓮、樹里の「脇役」人生に入り込む気、もう隠していないでしょう……。この距離の詰め方、気になりすぎる!

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3話|蓮の優しさと鉄平の冷たさが樹里を迷わせる

鉄平は樹里の努力を見ようとしないまま、樹里の心をさらに削っていく。

「バラを持った蓮」が現れた瞬間、全部持っていかれた……! ここまで樹里の心がどんどん自分を責める方向へ沈んでいたのに、そこで蓮が出てくるの、あまりにも気になるでしょう。

蓮からサンドイッチとコーヒーを渡されても、樹里が最初に感じたのが嬉しさではなく「そんなに私が哀れに見えたの?」なのが、本当に切ない。自分では疲れ切った姿しか見えていないから、誰かの優しさまで同情に変換してしまうんですよね。店員がどれだけ「絶対に気があります」と言っても、樹里自身がそこを信じられない。鉄平との生活で、自分の価値まで削られてしまっているのが伝わってくる。

しかも、鉄平から「もうお前の夫じゃない」と言われているのに、樹里は今でも彼を「夫」と呼んでいる。この一点が重いんだよね。鉄平の気持ちはとっくに離れているのに、樹里だけが夫婦という形を守ろうとしている。再婚すれば借金を返せるという話までしているのに、そのために香水代まで要求されるなんて……。いや、そこで自分の欲しいものを優先するの!? 樹里が黙ってお金を置く姿が苦しすぎる。

そして、客の「賢くて愛嬌のある嫁なら男は稼ぐ」という言葉が、また樹里の傷をえぐるんですよね。鉄平が変わった理由まで自分に探してしまう。でも違うでしょう。樹里は十分すぎるほど家庭を支えている。むしろ、ここまで自分を後回しにしているのに、まだ自分に足りないものを探してしまうことが悲しいよ。

だからこそ、その直後の蓮。まるで樹里の思考を断ち切るように、バラを持って現れるんだもの。しかも毎日来ていた彼が、ここで樹里の働く場所にまで姿を見せる……。これはもう、偶然では済ませられないよね。

蓮は樹里に何を伝えようとしているの?そして、そのバラは誰のためなの……!?

4話|樹里が蓮を直視できなくなる理由

蓮は迷いなく彼女のもとへ歩いてきたーーそれは、樹里の世界に静かに入り込む優しさだった。

樹里が蓮をまともに見られなくなっているのが、妙に可愛らしくて切なかった。花屋の店員から「毎日バラを買うのは樹里へのアピール」と聞かされてしまったから、そりゃ意識するよね。今まで「変な人」と思っていた相手が、もしかしたら自分を見ていたのかもしれない。そう考えた途端、目を合わせられなくなる樹里がなんとも初々しい。

一方で、鉄平は相変わらず樹里の自信を削ってくる。服を直そうとしている樹里に古いから捨てろと言い、身なりまで否定するのに、突然「お前には俺しかいない」と抱き寄せる。この落差が本当に苦しい。樹里がそれを受け入れてしまうのも、鉄平への愛情というより、「この人しかいない」と思い込まされているように見えてしまうんだよね。

そして職場では、亜里沙に向ける鉄平の反応が対照的すぎる。虫に驚いて抱きつかれたことを新鮮に感じる鉄平……樹里にはもう、そんな反応を求める気持ちすら残っていないのかなと思うと、なんともやるせない。

でも、今回の本命はやっぱり雨でしょう。樹里が壊れかけの傘を「まだ使える」と選んだところから、もう嫌な予感しかしなかった。案の定、帰り道で壊れてしまう。ここでも樹里は、自分のために新しいものを選ぶことを後回しにしているんですよね。服も傘も、自分が我慢すればいいと思ってしまう。

そこへ蓮が現れて、傘を差し出すんですよ……! しかも樹里が遠いから大丈夫と断っても、もう一度傘をかぶせて「一緒に行きましょう」と言う。この押しつけ方が、鉄平とはまったく違う意味で樹里の境界線に踏み込んでくる感じがする。

樹里がずっと一人で耐えてきた雨の中に、蓮が入ってきた。もう、この二人が同じ傘の下に入ると思うだけで、ドキドキするよ。

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5話|蓮が樹里への好意を明かすも「他人のまま」で‥

蓮の優しさを断った樹里。その直後に鉄平から浴びた言葉が、胸に刺さる……。

蓮が「下心ある」とあっさり認めたところ、思わず笑ってしまった。隠す気がなかったのね、蓮。でも「ただ、仲良くなりたいんです」と真っすぐ伝えるのが、この人らしくていいなと思った。樹里にとっては簡単に受け入れられる話じゃないけれど、少なくとも気持ちを誤魔化してはいないんですよね。

だからこそ、樹里が「他人のままでいた方がいい」と言われて「はい」と答えた瞬間は切なかった。蓮はそこで食い下がるでもなく、「わかりました」と引く。あれだけ積極的だった人が、本当に樹里の言葉を尊重して離れていくんだ……。その潔さが、かえって樹里の心に残ってしまいそう。

そして翌日ですよ。樹里が鉄平を喜ばせようと会社まで迎えに行ったのに、そこで見てしまうのが亜里沙との相合傘。しかも鉄平の「家族です」「親戚みたいなもん」という咄嗟の誤魔化しが、あまりにも苦しい。樹里が疑問を口にすれば逆に責め立てて、「友達も知り合いもいないから分からない」なんて……そこまで言う必要ある? 樹里の世界を狭くしているのは誰なのよ、と言いたくなってしまった。

だから、樹里が蓮の言葉を思い出す流れがすごく刺さった。「ただの友達です」「仲良くなりたいんです」。鉄平は人との関係を樹里を見下す材料にするのに、蓮は樹里自身と関係を築こうとしていた。この違いに気づいてしまったら、もう以前と同じ気持ちではいられないよね。

なのに最後、花屋に来た蓮が樹里を完全に無視する。えっ……そこまで徹底するの!?樹里が望んだことなのに、実際に距離を置かれると、今度は胸がざわついてしまう。この急な温度差、樹里の心にどう響くのか気になりすぎる……。

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