=最新話の更新履歴・ウェブトーン一覧=

『枯れた花に涙を』41話〜45話|蓮との時間を楽しむ樹里に芽生えた小さな嫉妬

『枯れた花に涙を』41話〜45話|蓮との時間を楽しむ樹里に芽生えた小さな嫉妬
記事内に広告が含まれています。

鉄平との生活で心に残った寂しさを抱えながら、樹里は少しずつ自分のための時間を取り戻していきます。蓮と一緒に過ごす中では、これまで知らなかった楽しさに触れ、思わず笑顔になることも増えていくことに。蓮から向けられる惜しみない優しさには戸惑いながらも、樹里の心は確実に変わり始めていました。そんな穏やかな時間の途中で、思いがけず胸をざわつかせる出来事が起こります。

41話|蓮が鉄平の痕跡を探り始める危うさ

樹里が少しずつ笑えるようになる一方で蓮の気配が変わっていた

ん?ちょっと待って。樹里は朝食を思い出して嬉しそうになっているのに、蓮のほうは樹里の部屋に入り込んで、鉄平が残したものを確かめていた。この温度差、怖すぎた。しかも赤い下着や空になった収納だけじゃなく、プリクラや古い携帯まで手に取っていたのが気になる。鉄平がいた痕跡を一つずつ確認して、最後に写真をじっと見つめる蓮……何を考えていたのよ。

それなのに樹里は、蓮が作ってくれた朝食を思い出していた。甘くて、しょっぱくて、ちょっと焦げていたらしいのに、それすら嬉しい記憶になっているのが可愛かった。札束について尋ねたら偽物だと分かって、しかも「それがないと、もう会えない気がして怖かった」という理由まで聞かされたら、そりゃ胸もくすぐったくなる。蓮の気持ちがまっすぐすぎて、樹里のほうが戸惑ってしまう感じがした。

さらに、樹里自身が明るくなっていることにも驚いた。以前なら嫌な客に何を言われても平気だったのに、今は自分の変化に気づいている。蓮と過ごした時間が、少しずつ樹里の日常まで変えているんだなと思うと、なんだか嬉しくなった。

でも、その裏で譲二を使って店の嫌な客を片づける蓮は、やっぱり普通じゃない。樹里には人生は嫌なことばかりじゃないと声をかけながら、自分は静かに鉄平の痕跡へ近づいている。その優しさと危うさが同じ人の中にあるから、余計に目が離せなくなる。

そして鉄平は相変わらず樹里のことを考えているようで、亜里沙と一緒にいてもスマホばかり。樹里の生活が少しずつ動き始めているのに、鉄平だけが取り残されているようにも見えた。蓮の中で何かが動き始めている以上、穏やかなだけでは終わらない気がして、胸がざわついた。

⬆️目次に戻る

42話|樹里が鉄平の過去を振り切り蓮との時間を選ぶ決意

過去の痛みを抱えた樹里が、それでも蓮に会うことを選んだ理由

ああ…鉄平の中には、まだ樹里との記憶がこんなに残っていたんだな。父親から逃げて鉄平の家へ行った夜、慣れない手つきでラーメンを作ってくれた少年の姿を思い出して、胸がぎゅっとなった。鼻血を出しながら必死に平静を保とうとしていた鉄平って、今の姿からは想像できないくらい不器用で優しかったんだろうな。だからこそ樹里が簡単には忘れられないのも分かってしまう。

一鉄平は、亜里沙と一緒にいるのにスマホを眺めて樹里を思い出す。もう自分のものではない。その事実が痛いんだろうなと思うと、なんとも言えない気持ちになる。樹里を手放したのは鉄平自身なのに、離れてから惜しくなっているように見えてしまうのが苦しい。

そして樹里が客から心ない言葉を浴びせられても、昔ほど傷つかなかったのが印象に残った。18歳だった頃とは違う。34歳になった樹里は、愛がずっと同じ形では続かないことも、人の心が離れていく痛みも知っていた。それでも蓮との時間を選んだんだよね。

「蓮だっていつか冷めるかもしれない」と分かっているのに、それでも会う。ここが本当に切なかった。絶対に傷つきたくないなら、最初から近づかなければいい。でも樹里は、また痛むかもしれないと分かった上で、自分の気持ちを無かったことにしなかった。これは鉄平への復讐というより、樹里自身が前へ進むための選択だったんじゃないかな。

そして外に出たら蓮が待っているのよ。しかも体調を気遣ったあと、さらっとデートに誘ってくる。樹里も迷わず受け入れてしまうから、思わず顔が緩んだ。愛がいつか変わるかもしれなくても、今この瞬間に誰かと笑えることまで捨てなくていい。樹里がやっと、自分の人生を自分で選び始めた気がした。

⬆️目次に戻る

43話|穏やかな笑顔の裏にあった蓮の痛み

蓮の笑顔の裏で揺れる気持ち

蓮……ちょっと待って。樹里の前ではあんなに穏やかだったのに、ひとりになった途端、こんな顔をしていたの。もう胸がぎゅっとなった。デートに来た樹里が気まずくなって帰ろうとしたとき、蓮が抱きしめて、もっと一緒にいたかったのかと聞くところから、二人の気持ちのズレがすごく苦しかった。

樹里は自分で線を引こうとしている。体だけの関係だと考えれば、傷つかずに済むと思っているのかもしれない。でも蓮は、そんな簡単に割り切れる状態じゃないんだろうな。「忙しいなら文句を言わずに待つ」と言うのも、樹里を急かしたくない気持ちと、それでもそばにいたい気持ちが両方見えてしまった。

しかも、帰る直前に抱きしめてほしいと頼む蓮がずるい。樹里も首筋に触れられて、もう少しで家に入れてしまいそうになるくらい揺れていた。なのに蓮はそこで離れて、何事もなかったみたいに明日を約束して帰る。その余裕はいったいどこから出てくるのよ……と思ったら、全然余裕なんかなかった。

屋敷に戻った蓮が、譲二に本音をこぼすところが本当に切なかった。樹里に気持ちを伝えて、初めてを捧げて、自分にできるものを全部渡した。それでも足りなかったと思っているなんて。樹里には「待つ」と言えても、自分の中ではずっと不安だったんだろうな。

そして最後に「明日は来るな」と言って、家にも帰らない蓮。えっ、どこへ行くのよ……。樹里の前では優しく笑っていた分、その反動が怖い。樹里も蓮も、好きなのに同じ方向を見られていないのが苦しくて、もう二人とも自分の気持ちを隠すのをやめてほしいと思ってしまった。蓮、ひとりで抱え込まないでよ……。

⬆️目次に戻る

44話|蓮が樹里の手を握り人混みから守る日

蓮の兄が敵意を募らせる中、樹里は自分から蓮を誘った。

そっと思い返してしまったのが、蓮が樹里の手を握ったところだった。たったそれだけなのに、なんだか胸に残った。樹里のほうから一緒に遊ぼうと誘ったことも大きかったし、今まで距離を置こうとしていた樹里が、自分から蓮の隣に行こうとしていたのが嬉しかったのよね。

しかも蓮は、樹里が頷いたあとに手を握って、簡単には取り消せないようなことを言いうのよ。強引というより、樹里の気持ちを確かめながら一歩ずつ近づいている感じがして、ああ、本当に好きなんだなと思ってしまった。樹里も驚いていたけれど、その手を振りほどかなかったのがまた苦しい。もう心の中では、蓮を完全に遠ざけることができなくなっているんじゃないかな。

でも、その幸せそうな二人の裏側で、蓮の兄がものすごく嫌な空気を出していたのが気になった。幼い頃の蓮を知っているからこそ、今の蓮が何を考えているのかわからないことを怖がっているようにも見えたし、会長の決断や財産の話まで出てきて、蓮の恋だけを見ていられない感じになっていた。蓮の幼い頃の孤独に、胸がぎゅっとなったよ。

それでも樹里といるときの蓮は、少しだけ普通の若い男性に戻れるの!樹里も鉄平が残した空白ばかりだった暮らしから、ほんの少しずつ抜け出しているように見えたし、「楽になってもいいのかな」と思えるようになったのが本当に嬉しい。

人混みで蓮が樹里の肩に手を置いて離れていったのも、妙に忘れられなかった。周りに誰がいても、蓮が選んだのは樹里の隣だった。その手の温度を感じながら樹里の胸が揺れていたと思うと、もう……これはかなり好きになってるんじゃないかな。

⬆️目次に戻る

45話|樹里と蓮の一日デートに揺れた小さな嫉妬

蓮と過ごす時間を楽しんだ樹里に、小さく嫉妬が刺さった

ふふふ…この一日、思っていた以上に完全なデートだった。プリクラを撮りたいと蓮が自分から言って、しかもカメラより樹里を見ていたのが可愛すぎて、ちょっと笑ってしまった。背の高い蓮が小さな写真を宝物みたいに大事にしているのも、なんだか胸にくる。樹里も頬をつつかれたりして笑っていたし、あんなふうに自然に笑える時間が増えているのが嬉しかった。

服を選ぶ蓮もすごかった。樹里のためなら迷いがなくて、欲しいものを全部買ってしまう。樹里が申し訳なくなるのも当然だと思うけれど、蓮からしたらお金を使うことより、樹里が喜んでくれることのほうが大事なんだろうな。鉄平との暮らしで我慢することに慣れてしまった樹里だから、何の見返りも求めず優しくされることに戸惑ってしまうのが切なかった。

それなのに蓮の心の中では、ただ受け取って幸せになってくれたら楽なのに、という気持ちがあった。ここ、かなり苦しかった。樹里は優しさを受け取るたびに「いつか嫌われるかも」と考えてしまうのに、蓮はそんなことを考えずに済むくらい樹里を好きになっている。二人の気持ちの進み方が全然違うのよね。

そして「一日じゃ足りない」と言った蓮に、樹里がまだ時間を作ると言ったのも大きかった。蓮が欲しいのは服でも食事でもなく、結局は樹里と過ごす時間なんだろうなと思うと、後ろから抱きしめた気持ちまで伝わってきて胸が熱くなったよ。

水族館まで行って、疲れた樹里が「ここで待ってて」と頼むところも、もう二人の距離がかなり近い。だからこそ、戻ってきた樹里が蓮と知らない女性を見た瞬間、胸の奥が揺れたのが気になった。嫉妬…なのかな。自分でもまだ認めたくない気持ちが、とうとう顔を出したように見えて、これはさすがに嬉しくなってしまった。樹里、もう蓮をただの寂しさの穴埋めでは見られなくなってきたんじゃないかな。

⬆️目次に戻る

← 花涙 全話一覧|46~50話 →

<< 4人の想いの変化 >>

タイトルとURLをコピーしました