新しく始めたはずのパン屋の職場で、店主の醜い本性が牙を剥いた。その事実に傷つく樹里の前で、蓮は愛情を深めていたが、丈や義母の介入が二人の穏やかな日々に暗い影を落とし始める。恋人であることを隠したい樹里と、隠したくない蓮。深い溝を抱えたまま、蓮は樹里の望み通り「独り身」と偽る一か月の出張を告げる。突然の不在に揺れる樹里の背後では、蓮を破滅させようとする兄の悪意が静かに動き出し、運命の歯車が狂い始めていた。鉄平の過去が露呈し、兄は蓮と樹里の純粋な恋に泥を塗る工作を開始。樹里のスマホに届いた一枚の写真。蓮の裏切りを疑わせるその影は、実際には丈だった。真実を知るのが怖い樹里は妄想と現実の狭間で揺れ、蓮の母が過去の悲劇をなぞるように動き出す。
106話|優しく微笑み樹里の幸せを祈る蓮

パン屋店主の卑劣さに怒り心頭。若くて可愛い店員をターゲットにして弄び、破局後は追い詰めて辞めさせる。そんな腐った習性を繰り返す店主の存在に吐き気がした。樹里を勝手に次のおもちゃだと思っていたなんて、あまりにも人間として醜すぎる。
106話あらすじ
パン屋で働く樹里は、同僚から店主が代々若い女性バイトをターゲットにしては弄ぶ卑劣な習性を告げられる。樹里が彼を良い人だと誤解していたことに同僚は心を痛めていたが、樹里に恋人がいると知り、心底から安心する。一方、蓮は仕事中の樹里に思いを馳せ、彼女がようやく自分自身を大切にできていることに静かな喜びを感じていた。しかし、蓮の母が突然現れ、彼の一か月の出国出張を告げるとともに、冷徹な圧力をかける。蓮の日常は、樹里への想いを抱えたまま、予期せぬ家族の介入によって再び不穏な空気に包まれようとしていた。
106話を読んだ感想・考察
106話、本当に心が締め付けられるような回だった。パン屋の店主があんなクズだなんて、樹里が気づいていない場所でそんな地獄が待っていたなんて、もう嫌になる。でも、同僚の女性が言った言葉には救われた。樹里が「彼を良い人だと思っていた」と言った時のあの表情。樹里がこれまでどれだけ、自分に向けられた小さな親切を信じようとしてきたか、そしてどれだけ裏切られてきたかを知っているからこそ、同僚の「良かった、彼氏がいて」という安堵の声が本当に温かかった。樹里は、誰かに大切にされるという、人生で一番贅沢で当たり前の幸せを、当たり前のように受け取っていなかったんだよね。
そして蓮だよ。蓮が樹里のことを考えている時のあのお顔。制服姿の樹里を想像して、少し照れながら笑う蓮の顔が本当に優しくて、ここだけ時間が止まってほしいとさえ思った。なのに、現れたのは義理母。なんて冷たい母親なんだろう。子供を突き放すような、支配的でぞっとする言葉の数々。蓮が今までどれだけ息を潜めて生きてきたか、その背景が少し見えた気がして、胸が痛い。蓮にとっての「逃げ場所」が樹里なのに、その二人の時間を邪魔するなんて絶対に許せない。兄の計画が着実に遂行されつつあって、これ以上の悲劇は‥もうきついわ。
それに、ラストにかけての悠里の登場も不穏すぎる。「向こうで会う人がいる」って、まさか蓮のことなのか?蓮は樹里以外虫けらのような存在だから邪魔しないで。あんなに幸せそうにメッセージをやり取りしていた二人を、外側から巨大な悪意が塗りつぶそうとしているみたいで、怖かった。樹里は、鉄平という呪縛からは逃げ出せたかもしれないけれど、次は蓮を巡る家同士のしがらみや、もっと大きな社会的な悪意に巻き込まれていくんだろうか。それでも、蓮が樹里のことを「柔らかくて温かいもの」と形容するあの言葉だけは、どうか汚されないでほしい。今はただ、二人でコーヒーを飲んで、美味しいパンを食べて、それだけの時間がずっと続けばいいのに。そう願わずにはいられない、あまりにも切ない話だった。
⬆️目次に戻る
107話|出国という残酷な別れの試練

出張前の切ない約束に号泣。樹里が望む「隠れた関係」を受け入れ、出張先でも「恋人はいない」と嘘をつくと告げた連。自分の存在を消すことを強要されながら、それでも彼女のためにすべてを飲み込む健気さが。
107話あらすじ
裕福な家庭で育った亜里沙の素性を知り、樹里を守る覚悟を新たにする蓮。しかし、樹里の心にある元夫・鉄平の影を消し去りたいという衝動と、彼女から向けられる「周囲に隠したい」という要望の狭間で、連の心は激しく揺れ動いていた。樹里を迎えた連は、偶然鉢合わせた秘書に対して強引に交際を宣言し、彼女の自尊心を逆なでしてしまう。二人の関係を公にしたい蓮と、周囲の目を恐れる樹里の間で決定的なすれ違いが生じる。そんな中、蓮は1か月にも及ぶ長期間の海外出張を告げる。彼は樹里の望み通りに「恋人はいない」と周囲に偽り続けることを誓うが、その目は深い孤独を宿していた。
107話を読んだ感想・考察
107話、もう頭がねちょっとテンパったかな。譲二が亜里沙の家柄を話す時のあの冷めた目、そこから蓮の「守る」という決意が、単なる優しさじゃなくて異常なまでの執着に変わっていくのがリアルで怖かった。樹里を鉄平から守りたいっていう動機はすごくピュアなのに、その愛情表現がどこか歪んでいて、それが蓮の若さゆえの脆さを見せているようで目が離せない。
特に、樹里からの「職場に来ないで」メッセージに対する蓮の反応が、まさに拗らせ男子の極み!「隠したいの?」っていう不安と、「俺を試してるのか?」っていう傲慢な期待が混ざって、雨の中を傘もささずに会いに行くなんて、行動が重すぎて逆に愛おしいよ。普通、そこまでされたら引いちゃうところだけど、樹里の複雑な背景を知っているからこそ、その重さすらも「救い」に見えてしまう。
そして、秘書の前でのあの堂々とした交際宣言!樹里がどれほど周囲の目を気にして、必死に自分の立場を守ろうとしているかを理解していながら、それを踏み荒らしてでも自分の存在を刻み込みたがる蓮の欲深さ。鉄平という存在にコンプレックスを感じているからこそ、自分が「選ばれた男」だっていうことを証明したいっていう執念が凄まじい。樹里の「私たちは二人だけで分かっていればいい」っていう大人の言葉が、蓮には「隠されている」っていう惨めさにしか聞こえていないのが、この二人の一番のすれ違いなんだよね。
最後に訪れた「1か月の出張」という名の試練。樹里の望む通り、誰にも恋人はいないと嘘をつくなんて、そんなの自分を傷つける行為だよ。指輪を隠し持って、樹里のためなら何だって飲み込む連の健気さが、痛々しすぎて見ていられない。本当は誰よりも「付き合ってる」って自慢したいはずなのに、彼女の望みを叶えるために自分を檻に閉じ込める。この一か月、蓮がどれだけの寂しさを抱えて過ごすのか、そして樹里が彼がいなくなった世界で何を思うのか。この物語は、愛することの美しさと、それ以上に「愛することの苦しみ」が濃縮されていて、胸が締め付けられる。本当に、これ以上ないほど残酷で、これ以上ないほど甘い回だった。
⬆️目次に戻る
108話|蓮がいない冷たい部屋の静寂

兄の卑劣な策略に殺意が湧く。弟を陥れるために樹里をターゲットにするなんて、本当にクズとしか言いようがない。無知で哀れな女をいたぶって楽しむような言動に、腸が煮えくり返るほどの怒りがこみ上げる。絶対に幸せになってほしくない。
108話あらすじ
愛し合った夜の余韻から冷めやらぬまま、蓮は海外へと飛び立った。冷淡なメッセージを残し、いつものやり取りも途絶えたことで、樹里は今までになかった深い喪失感と不安に襲われる。一方で、蓮を憎む実の兄が動き出し、樹里を弟と誤認させて陥れようと画策していた。そんな折、蓮の幼少期の素顔を知る女性たちが集まり、彼の特異な過去に思いを馳せる。同じ頃、職場のトイレで自身の恋愛を馬鹿にされた亜里沙が激昂し、さらには鉄平の周囲でも何やらトラブルの予兆が漂い始める。日常の裏側で、それぞれの悪意と不安が複雑に絡み合い、不穏な空気が急速に渦巻き始めていた。
108話を読んだ感想・考察
108話、もう、胸が締め付けられるようだった。昨夜のあんなに濃厚な時間の記憶と、今のあまりにも素っ気ないメッセージのギャップが本当に残酷すぎる。樹里が「傷ついた」と自覚してしまうほどの痛み。今までどんなに厳しい言葉を投げられても、蓮の体温に触れれば全部忘れられたのに、その「逃げ場」がなくなってしまった途端、彼女の精神が急激に脆くなっていくのが目に見えて分かる。1ヶ月も耐えられるの?という問いかけが、樹里自身に突きつけられた残酷な現実すぎて、見ていて本当に苦しい。
しかもそこにきてあの兄の存在だよ。弟に対する異常なまでの執着と、樹里を「無知で愚かな女」としていたぶろうとする傲慢さ。吐き気がするほど腹が立った。本当に卑劣。樹里が今、どんなに心細い思いでいるかも知らずに、ただ自分のゲームのために彼女を巻き込もうとしているなんて、本当に許せない。樹里は、自分を壊そうとしている存在がすぐ近くに迫っていることなんて微塵も知らないのに。
一方で、幼少期の蓮のエピソードには少しだけ過去が見えたね。傷だらけで不器用で、でも女の子の代わりにノートを取ってあげるような、あの頃の繊細さが少しだけ垣間見えた。だからこそ、大人になってあんなに冷淡な仮面をかぶらなきゃいけなかったのかと考えると、胸が痛い。それに比べて、周囲の女たちの噂話や、亜里沙の騒動も、何だか日常が崩れていく前触れみたいで不気味だよね。鉄平の周りでも何かあったみたいだし、もうこれ、何かが爆発する直前の嵐の前の静けさじゃないか。樹里の周りで、愛と悪意と狂気が入り乱れていて、どこを見ても逃げ場がない感じがする。これ以上、樹里を傷つけないでほしい。そう願わずにはいられない108話だった。
⬆️目次に戻る
109話|兄が裏で仕掛けた悪意ある罠

樹里のスマホに届いた「誰かからの通知」。幸せを噛みしめていた樹里の表情が一瞬で凍り付く姿には、これから訪れる嵐の予感に心臓が止まりそうになった。
109話あらすじ
亜里沙は会社の女性と大喧嘩し、鉄平に泣きつくが、鉄平は内心うんざりしていた。離婚理由を問い詰められた鉄平は「元妻は子どもが産めない」と冷酷に告げ、亜里沙はその軽さに衝撃を受ける。一方、蓮は会社の集まりで疲弊し、夜中に呼び出され悠里と対面。蓮兄はその写真を見て樹里を揺さぶるために女性との場面を撮影しようとする。樹里はパン屋で蓮の身長の話題で赤面し、蓮の優しさを思い出す。そこへ蓮から予想外の連絡が入り、樹里は驚愕する。
109話を読んだ感想・考察
109話、もう全員の感情が暴れ散らかしてて、私の心拍数まで上がる。まず亜里沙。トイレで髪を掴んで大乱闘って、恋愛バトルじゃなくて完全に修羅場。嫉妬で暴走して鉄平に泣きつく姿は、可愛いを通り越して「重い」。鉄平の胸で泣きながら責めるの、もう小学生の喧嘩。鉄平の心の声が完全に冷めてるのが逆にリアルで、「誰が相手でも無理」って言い切るあたり、亜里沙の恋はもう片側だけ燃えてる状態。
そして離婚理由。鉄平の「元妻は子どもが産めない」という冷酷な一言、おい。樹里の人生を知ってる私からすると、この理由の軽さと残酷さが本当に胸に刺さる。亜里沙が「それだけ?」と固まるのも当然で、鉄平の人間性の「浅さ」が一気に露呈する瞬間だった。
一方、蓮サイドは蓮サイドで地獄。会社の集まりで延々と挨拶を受け続ける蓮、もう顔が引きつってるのが目に浮かぶ。譲二の「夜中に呼び出すって何者?」という疑問ももっともで、蓮の嫌そうな顔が悠里にバレバレなのが笑える。悠里の“馴れ馴れしさ”が蓮の嫌悪感をさらに増幅してて、「やめろっ~」って叫ぶしかない。
そして蓮兄。もうこの男、毎回登場するたびに倫理観が崩壊してる。弟が女性と距離を取ってる写真を見て「病気か?」と言いながら、自分は女性と関係を持ちながら写真を撮って樹里に送りつけようとするって何その発想。悪役というより“混沌の化身”。蓮を揺さぶるためなら何でもする姿勢が怖すぎて、逆に悪役キャラとして完成されてる。
そして最後の樹里。パン屋の子たちに蓮の身長でからかわれながら「かわいいんです」と必死にジタバタする姿がもう愛しすぎる。蓮がいつも自分の目線に合わせてくれていたことを思い出す姿に、胸がぎゅっとなる。あの大きな体で、樹里のために頭を下げて視線を合わせていた蓮。「はい、これが恋です」と納得よ。
そしてスマホの着信。蓮はもう寝てるはずなのに、予想外の連絡が来る。樹里の目が見開かれるあの瞬間、絶対に何かが動く予兆。蓮兄の動きもあるし、悠里も絡んでくるし、鉄平のクズ度も増してるし、全員の感情が爆発寸前だったわ。
⬆️目次に戻る
110話|突きつけられた丈からの残酷な写真

蓮が樹里に甘く囁いた言葉の数々が、今となっては刃物のように突き刺さる。あの写真は一体誰が、どんな目的で送ってきたの?樹里の心臓を抉るような惨すぎる仕打ちに、怒りと悲しみが止まらないよ。
110話あらすじ
蓮に扮して丈(蓮兄)が女性と交わる写真を見てしまい、樹里は深いショックを受ける。出張先で悠里たちが蓮の女性関係を噂する中、樹里は写真の男が本当に愛する蓮なのか、あるいは誰かの陰謀なのかを確かめる勇気も持てず、孤独に雨の中を歩く。一方、蓮は日本から遠く離れた樹里を案じる。蓮の母親(?)は、一ノ瀬会長との歪んだ一族にまつわる過去の惨劇を病院で想い、「悲劇を繰り返さないための手段」、息子を守る決心をする。丈の画策によって蓮の知らないところで樹里をさらに深淵へと引きずり込もうとしている。
110話を読んだ感想・考察
110話、しばらく放心状態だった。樹里がスマホを落として、拾うことすらできないあの絶望感。「かつて経験した、忘れかけていた悲しみ」という想いが、彼女の過去の結婚生活がいかに過酷だったかを物語っていて、胸が張り裂けそう。彼女が蓮に「私を愛して」と願ったのは、そんな悲しみから救われたかったからなのに、よりによってまた同じような苦しみを味わうことになるなんて、あんまりだよ……。でもこの男女の交わる写真、蓮に似せた丈なんだよ!!ほんと悪質だわ。
一方で、蓮側も不穏すぎるよね。譲二が蓮の機嫌を気にして「あんなに狂ったように執着していた人を地球の裏側に置いてきたんだから」と言っているのを聞くと、蓮の樹里への想いは本物のはず。だとすれば、あの写真は誰が送ったのか?
一方で、蓮の過去がチラ見え!蓮の本当の母らしき人の登場、一ノ瀬会長に似たもう一人の男性‥燃え盛る屋敷。もしかして、本当の蓮の父親?一ノ瀬会長には兄弟がいて、助けた?貶めた?蓮の本当の母親らしき人の想いからして、彼らは「蓮(息子)のために」という名目で、固く決意している様子だから‥きっと一ノ瀬という財閥に関わることなんだろうね。憶測だけど、一ノ瀬会長の座を本当の父親(?)に返すために従順なフリしてるのかな?それとも会長が本当の父親?はあ、よくわからなくなってきたわ。だって、蓮と会長ってそっくりだし。
特に、樹里の妄想の中で蓮が「彼女には飽き飽きしている」と言い放つ姿には、もう「そんなことない!」って全否定したわ。樹里自身が、鉄平のことがあったからこそ、そんな言葉すら「あり得る」と信じてしまう心の脆さが本当に切ない。「すべてが最初で最後」と約束した蓮の言葉と、冷酷な写真の現実。この極端な二つの情報の間で、樹里の精神が壊れていかないか心配で仕方ない。
悠里の「女がいても気にしない」という強気な発言も、イライラさせられる。蓮にとってどれだけ「邪魔な存在」になっているかの分かってないよね。蓮の過去と母の執念、財閥という闇が、このまま樹里を飲み込んでしまうのか。樹里が真実を確認する勇気を持った時、物語がどう動くのか。蓮が写真を送られた事実を知った時、彼はどんな修羅と化すのか。次回の展開が怖いけれど、目を逸らさず見届けたいと思わせる強烈な回だった。
⬆️目次に戻る
<< 樹里と蓮の全編イッキ読み >>