ユアンが姉ルイズの亡骸を抱きしめた瞬間の静かな絶望と、胸の奥で固まっていく復讐の誓い。私の心を掴んで離さない始まり方です。この記事では『ある日、姉が死にました』1話〜5話で描かれるユアンの痛みと覚悟、クラードの叫び、そして伯爵家の崩壊の兆しを中心にレビューします。喪失から始まる復讐劇の「最初の火種」を紐解いていきます。

これより先は1〜5話の核心に迫るネタバレがあります。自分の目でストーリーを確かめたい方は、閲覧をご遠慮ください。
1話|姉ルイーズの亡骸を抱き誓う復讐

一年耐えれば帰るという約束を信じていたのに、戻ってきたのは冷たい亡骸。それなのに叔父は悲しむどころか、ユアンを皇子の道具として差し出すなんて。あまりの非道さに、血の気が引くほどの怒りと絶望で震えた。
1話あらすじ
両親を失い、叔父一家に屋敷を奪われて育ったユアンと姉ルイズ。姉の死をきっかけに、治癒の力を持つユアンは、叔父の野心のために廃皇子クラードのもとへ差し出されることになる。かつて愛する家族を奪われ、虐げられながらも姉との絆だけを支えに生きてきたユアンにとって、その皇子との初夜は、ただの身売りではなかった。姉の死に納得できない彼女は、自分を「ネズミ」と見下すクラードに対し、自らの価値を証明し、皇子妃という立場を利用して姉がなぜ死ななければならなかったのか、その隠された真相を暴くための孤独で危険な戦いを開始する。
1話レビュー・考察
1話から、飛ばしすぎだよ、この物語。姉が一年だけ耐えて、必ず迎えに来るって言ったのに、あんな無残な亡骸になって帰ってくるなんて絶望しかない。ユアンがどれだけ姉を慕っていたか、幼少期の思い出が温かい分、現在の叔父一家のクズっぷりが際立って、胸の中が真っ黒なドロドロで埋め尽くされそうになった。叔父もコンパニ伯爵も、どいつもこいつもユアンを「治癒の力を持つモノ」としてしか見ていなくて、人間の心を持っている奴が一人もいない。第一皇子への恐怖と、ユアンを政治の駒として差し出す大人たちの腐りきった魂が、この家の冬をよりいっそう寒くさせている気がした。
そんな中で、クラードの目の前で震えながらも、最後にはグイっと彼を引き寄せてキスをするユアン。あそこ、本当に凄まじかった。震えが止まらないほど怖いのに、自分を「ネズミ」と呼ぶ相手に対して、私はただの家畜じゃないと証明しようとする姿。10年間、従姉妹のレジーナにドレスを汚され、フレデリックに殴られても、姉の抱擁一つで耐えてきた少女が、もう大人になって、牙を剥こうとしているんだよね。皇子との初夜なんて、普通ならただの悲劇だけど、ユアンにとっては「姉を殺した相手への潜入調査」なんだから、強すぎる。
姉のルイズがどれだけユアンを大事にしていたか、あのお人形ごっこのシーンからすごく伝わってきた。だからこそ、ユアンが「姉が死んだ理由を突き止める」と誓う強さに、めちゃくちゃ説得力がある。ただ可哀想なだけのヒロインじゃなくて、自分で真相を暴きにいく主人公なんだよね。クラードもクラードで、廃皇子としてどん底にいるのに、ユアンのキス一つで彼女を押し倒すとか、この二人、共依存みたいに危うい関係になっていきそうで怖い。でも、姉を殺したかもしれない男の懐に、自ら飛び込んでいくユアンの覚悟だけは、本当に何者にも邪魔させないでほしい。これからどれだけ血生臭い真実が出てくるのか、怖くて楽しみで仕方ないよ。
1話まとめ
姉を失った瞬間、ユアンの時間は止まってしまったんだと思いました。大切な人がいなくなった絶望はもちろんだけど、一番つらかったのは「どうして姉だけが死ななければいけなかったのか」という答えのない疑問だったんじゃないでしょうか。ただ泣いて終わるのではなく、姉が命を懸けて守った自分だからこそ、その死の裏に隠された真実を突き止めると決めたユアンの強さには胸が締めつけられました。悲しみを抱えたまま前へ進もうとする姿が、本当に切なかったです。
⬆️目次に戻る
2話|痛みに満ちたユアンの初夜

ユアンの痛みに胸が裂けそう。身体接触で相手の苦痛を全部吸い取るなんて、それ治癒じゃなくてただの呪いでしょう。ユアンが震えながら地獄の痛みに悶絶する姿を見て、涙が止まらない。姉の復讐のために、自分の体さえ犠牲にする覚悟が切なすぎる。
2話あらすじ
姉を死に追いやったと噂される廃皇子・クラードの元へ、初夜の証拠を作るべく潜入したユアン。薬と偽ってクラードを眠らせた彼女は、自身の身体接触によって相手の苦痛を全て肩代わりする能力を使い、過酷な夜を乗り越えた。その力は、以前暮らしていたペリエーセ伯爵家で、叔父が貴族たちを相手に秘密裏に高額な治療費をせしめていた「闇ビジネス」の源だった。実家から脱出し、二度と戻らないと誓うユアン。一方、目覚めたクラードは原因不明の身体の軽さに戸惑い、執事から告げられた「初夜の成功」という事実に、全く身に覚えがないまま混乱を深めていくのだった。
2話レビュー・考察
2話、とにかくユアンが可哀想で強くて、胸が締め付けられる思いだった。初夜っていう大事な場面で、いきなり毒を盛るふりをして相手を眠らせるなんて、普通の神経ならできないよ。震える手でクラードを眠らせた後の、あの悶絶。痛みを肩代わりする能力って、名前だけ聞けば聖女みたいだけど、実際はただの地獄だよね。それを「お姉ちゃんのため」っていう一点だけで耐え抜くユアンの執念が、あまりにも重くて苦しい。彼女にとって初夜の証拠なんて、ペリエーセ家から脱出するためのただのチケットでしかないんだよね。姉を殺した相手かもしれない男の隣で、自分の体を壊しながら眠るなんて、誰ができるっていうの?
一方で、ペリエーセ家のあの闇医療クリニックみたいな場所、本当に胸糞が悪くてゾッとした。頭痛が治ったって喜ぶ貴族たち、自分たちがユアンの命を削って快楽を買っていることなんて1ミリも知らないんだろうな。伯爵の、「お前の姉のための練習だ」なんて平気で言う神経が本当に腐ってる。ユアンを家門の道具としてしか見ていないのが明白で、怒りで手が震えた。ユアンがあそこから絶対に二度と戻らないって決心しているのが、せめてもの救い。あんな地獄に居続けたら、心も体も本当に壊れてしまうよ。
そして、クラードの視点が入ったことで一気に空気が変わったのが面白い。彼、完全に状況についていけてないよね。今まで全身を蝕む激痛と戦っていたのに、いきなり体が軽くなって「執事、どういうこと?」って混乱してる姿、ちょっと人間味があって笑ってしまった。ユアンが命がけで吸い取った痛みも、クラードからしたら「なんで?」って感じだろうし。怪物って言われているけれど、今のところユアンに翻弄されている被害者(?)感が強くて、この二人がどうやって本当の意味で向き合っていくのか、気になって仕方ない。復讐と愛がどう絡み合っていくのか、ユアンが自分の体をもっと大事にしてくれる日が来るといいんだけど。
2話まとめ
ユアンは復讐心だけで動いている主人公には見えませんでした。家族から都合よく利用され、居場所まで奪われながら、それでも姉の死だけは絶対に無駄にしたくない。その一心で危険な道を選び続けているように感じます。そしてクラードという誰も手をつけられない存在を変えられたら、自分の未来まで変えられるかもしれない。そんな切羽詰まった覚悟が伝わってきて、思わず応援したくなりました。
⬆️目次に戻る
3話|記憶喪失を利用する危険な嘘

ユアンに翻弄され続け、自分が何をされたのかも分からずパニックになる大型犬のようなクラードの姿。庭で働く彼女から目を逸らせないくせに、真っ赤になって引きこもる様子が、不器用すぎて愛おしさが爆発した。
3話あらすじ
皇室の認可という盾を使い、姉を殺したかもしれない男・クラードの屋敷で居場所を確保したユアン。彼女は自らの特殊な能力でクラードの苦痛を肩代わりし、彼を深い眠りへと誘う代わりに、自身の体は引き裂かれるような激痛に襲われていた。朝になれば何も覚えていないクラードに対し、昨夜は情熱的な夜を過ごしたと吹き込み、ユアンは自身の立場を盤石にする。一方、屋敷中に流れる「二人の夜」の噂に、クラードは記憶がないことに焦りと羞恥心を感じていた。庭で働くユアンの姿を窓越しに見つめるクラードは、自分が彼女の存在を無視できなくなっていることに困惑し、激しく動揺する。
3話レビュー・考察
3話、もう情報量が多すぎ!ユアンの行動が本当に強すぎる。昨日まで地獄のような苦痛に悶絶していたのに、翌朝には平然と庭の手入れをして生活改善をしようとするなんて、並のメンタルじゃないよね。彼女にとってこの屋敷は、復讐の場所であると同時に、自分が生き残るための戦場なんだという覚悟が伝わってくる。特に「戻れない」っていう強い想いには、胸が締め付けられた。彼女はただの妃じゃない、自分の命を賭けたギャンブラーだよ。
それにしても、クラードの反応がいちいち面白い。お茶を飲むときも、自分が何も覚えていないっていう事実が、威圧感のある彼のプライドをズタズタにしているのが伝わってくる。「俺以外の全員が知っている」っていう混乱ぶりが、もう可哀想を通り越して可愛くすら見えてくる。記憶がないまま「情熱的な夜を過ごした」という噂を突きつけられるなんて、地獄以外の何物でもないでしょ。ユアンの「溜まっていたものを発散した」っていう嘘、クラードじゃなくても赤面して怒りたくなるよ。
そして何より、ユアンが自分の痛みを肩代わりする姿。もうプロ根性が凄まじいという言葉では足りない。「呪い」のような能力を、いかに有用な「処方」として見せつけるか。痛みに耐えながら笑顔で言い切るユアンの姿は、冷徹でいて非常に危うく感じた。クラードが突き飛ばしたのも、ただの拒絶じゃなくて、何か得体の知れないものに対する恐怖や動揺が混じっているように見えたな。
最後の姿可愛かったわ、庭で働くユアンを窓から見て目が合って耳まで真っ赤にするクラード、完全に恋に落ちた(?)男の顔じゃん!カーテンを閉めて「寝ていると言っておけ」なんて、素直になれない男子すぎるよ。執事が困惑するのも無理はない。威圧感たっぷりの領主様が、朝からこんなに右往左往しているなんて誰が想像するだろう。これから二人の距離がどう縮まっていくのか、それともユアンの復讐心と愛がどう絡み合っていくのか、もうニヤニヤしてます。
3話まとめ
クラードの変化は想像していた以上に早くて驚きました。失われた記憶に強く執着しているはずなのに、ユアンがそばにいると不思議なくらい心が落ち着いてしまう。その事実に本人が一番戸惑っているように見えます。今まで誰にも心を開かなかった人ほど、一度安心できる場所を見つけてしまうと離れられなくなるものですよね。少しずつユアンへ視線が向いていく様子が、とても自然で引き込まれました。
⬆️目次に戻る
4話|ユアン不在で崩れゆく伯爵家

ユアンがいなくなった途端にメッキが剥がれ落ちるペリエーセ家、読んでいて最高にスカッとした。結局、あの屋敷の繁栄は全部ユアンの犠牲の上に成り立っていたんだね。伯爵たちがあれだけ慌てふためいている姿を見ると、ざまあみろとしか思えない。
4話あらすじ
ユアンが去った後のペリエーセ家は、崩壊の危機に直面していた。ユアンの力に頼り切っていた薬の供給が途絶え、怒れる貴族たちが押し寄せては伯爵を問い詰める日々が続く。伯爵は嘘と言い訳でその場をしのぎながら、ユアンが戻らないことで発生する深刻な事態に怯えていた。そんな中、ユアンの居ない隙を突いて家門の事業を奪おうと画策する従姉妹のレジーナ。彼女は、ユアン宛に届いた有力貴族からの求婚の手紙を隠し、それを自分の成果だと偽って社交界で噂を流すという、強欲で浅はかな計画を立てる。家族全員がユアンの価値に気づかぬまま、破滅への道を突き進んでいく。
4話レビュー・考察
4話、ペリエーセ家の崩壊っぷりが、もう清々しいほどに惨めで笑えてくる。あれだけユアンを虐げて、道具みたいに扱ってきたくせに、いざいなくなったら途端に「返せ」だの「どうしてくれる」だのと騒ぎ立てて。結局、彼らは自分たちの力なんて何一つ持っていなかったんだよね。外見だけは豪華に飾って、中身は空っぽ。貴族たちの前で苦しい言い訳を並べている伯爵の姿なんて、滑稽すぎて同情の余地すらゼロだよ。今までどれだけユアンを搾取してきたのか、あのパニックになっている姿が何よりの証拠だね。「黄金の卵を産むガチョウ」なんて言葉が自然と出てくるあたり、愛着なんて最初から一ミリもなかったことがバレバレで胸がスカッとする。
一番笑えたのは、レジーナのあの勘違い具合。ユアンが担っていた研究室の仕事が「自分ならもっと上手くできる」って、どの口が言ってるんだろう。字が綺麗だとか、そんな問題じゃないってことも分からないくらい、自分自身が空っぽなんだね。しかも、一番やってはいけない求婚の手紙の横取りなんて、完全に墓穴を掘っている。ユアンの価値を全く理解できていない家族たちが、勝手に崩れていってくれるのは、ユアンにとっても好都合だと思いたい。これからどんな地獄が待っているのか、想像するだけでニヤけてしまう。
特に、伯爵が震えながら「万に一つでも帰ってこなかったら」って怯えている姿。これまで積み上げてきた悪行の報いが、ようやく形になって押し寄せてきたんだ。夫人まで、ユアンは怪物皇子のところで震えているに違いないなんて楽観視しているけど、現実はその逆。一番怖いのは、何も知らないまま自分たちの身勝手な欲望で突き進むこの家族の鈍感さだよね。レジーナが「チャンス」だと思って掴み取ったはずの手紙が、一体どんな破滅を彼女にもたらすのか。早く地獄のどん底まで落ちる瞬間が見たくて仕方がない。
4話まとめ
ペリエーセ一家を見ていると、怒りより先にあきれてしまいました。ユアンがどれだけ我慢して支えてきたのかを理解しようともせず、それが当たり前だと思い込んでいるからこそ、彼女がいなくなった時に初めて失ったものの大きさを思い知ることになるのでしょう。でも、その頃にはもう何を後悔しても遅いはずです。人を踏み台にして築いた幸せなんて、長く続くわけがないと強く感じました。
⬆️目次に戻る
5話|クラードの魂の叫びとユアンの覚悟

極寒のなか屋敷の扉の前で三日も待ち続け、死を覚悟してまで「戻りたくない」と叫ぶユアンの姿に涙が溢れた。帰る場所が地獄しかない少女の絶望と、縋るように震える姿が痛々しすぎて、抱きしめたくなった。
5話あらすじ
皇室から贈られた新たな妃・ユアンは、黒の屋敷の冷酷な噂に臆することなく、極寒の門前で四日間もの間、夫の帰還を待ち続けていたことが浮かぶ。叔父のもとへ戻るぐらいなら死を選ぶという決死の覚悟だった。一方、屋敷内では幼馴染のランスロットが、初夜を無事に終えたクラードを面白がって冷やかす。クラードは自らの過去や病と過去の妃たちの死に囚われ、二度と誰かを愛さないと心を閉ざしていた。しかし、ついに扉を開けて対面したとき、ユアンは恐怖で逃げ出すどころか、「捨てないで」とクラードの服を掴んでその場に倒れ込んだ。その言葉に、これまで呪いと絶望の中に生きていたクラードの瞳が、激しく揺れ動くのだった。
5話レビュー・考察
5話にして、ついにこの二人がぶつかったね…。ランスロットの登場で、少しだけ空気が軽くなったかと思いきや、そこからの一気に落とされる展開が本当にえぐい。ランスロットがどれだけ空気を読まずに踏み込んでいっても、クラードが「私は誰も愛さない」って言い切る時のあの拒絶感。ああ、この人は自分の体調や過去のせいで、他人を巻き込むことを心の底から嫌がっているんだなって感じた。薬をかみつぶす姿があるたびに、クラードがどんだけボロボロの状態で生きているのかが伝わってきて、本当にやりきれない。
でも、一番しんどいのはやっぱりユアンだよ。雪のなかでガタガタ震えながら、死んでしまった姉の姿を自分に重ねて「帰らない」って言い聞かせているんだよね。あの幼い頃の記憶と、今の張り詰めた糸のような緊張感が、苦しくてたまらなかった。普通、あんな噂だらけの屋敷なら一目散に逃げ出すはずなのに、戻る先がもっと地獄だからって、必死にこの地獄に食らいつく選択をするしかないなんて。
極めつけは、対面した瞬間の二人のやり取りだよね。ユアンが姉の死の真相を知りたくて来たはずなのに、恐怖と極限状態の中で口から出たのが「捨てないで」だなんて。これ、自分のプライドも復讐心も全部かなぐり捨てて、とにかく生き延びるためにこの「怪物」に縋るしかなかったってことだよね。しかも倒れ込んだのが、これまで誰も拒絶し続けてきたクラードの目の前っていうのが、残酷すぎるほど完璧なタイミング。
クラードのあの反応、完全に予想外だったはずだよね。きっと「どうせ逃げるだろう」って思っていたはずなのに、自分を怪物と呼ぶ人たちとは明らかに違う、切実な温度を感じてしまったはず。泣き崩れるクラードと、意識を失って倒れるユアン。この二人の関係が、ここからどう変化いくのか。クラードは「捨てないで」という言葉を、ただの弱者の叫びと受け取るのか、それとも自分の孤独を埋めてくれる唯一の光として受け入れてしまうのか。続きが気になりすぎます。
5話まとめ
「捨てないで」というユアンの一言は、クラードだけではなく私の心にも刺さりました。怪物として恐れられ続け、必要とされる経験なんてほとんどなかった彼だからこそ、その言葉は何よりも救いになったんでしょうね。誰かに求められたいという気持ちをずっと心の奥へ押し込めて生きてきたクラードは、この瞬間からもうユアンを手放せなくなった気がします。執着という言葉だけでは片づけられない、不器用で切実な感情が見えて、一気に二人の関係が好きになりました。
⬆️目次に戻る