何度拒絶しても、アパートの重いドアの先には蓮が静かに立ち尽くしていた。その深い愛に触れた樹里は、過去の呪縛に縛られたまま新しい日常へ踏み出そうとしていた。その裏で鉄平は、若き日に夢を見て投資に走り、甘い誘惑に騙されてすべてを失った過去にすがりつき、破滅の原因を樹里へ押し付けていた。借金の重圧、孤独な部屋、歪んだ誓い。鉄平は新たな獲物を食い物にし、自暴自棄の人生を突き進む。幼い頃の悪夢に縛られる蓮は、樹里を守ろうとする一方で、異母兄が樹里を餌に蓮のすべてを支配しようと冷酷な罠を張り巡らせていた。夫との過去に囚われ自分を卑下する樹里を、蓮は痛みで支配しようとし、歪んだ愛が交錯する中、新しい職場で樹里へ新たな問いが投げかけられる。
101話|拒絶を飲み込み愛を証明する連の溺愛

ドアの外で待っていた蓮に号泣。追い返したはずの蓮が、ずっとドアの前で待っていたなんて。電話に出られなかった理由を聞いて、張り詰めていた心が音を立てて崩れた。孤独だった樹里を力強く抱きしめる蓮の温度に、これまでの全てが報われるような救いを感じて胸が震えた。
101話あらすじ
電話に出ない蓮に対し、不安と寂しさから素直になれず彼を追い返してしまった樹里。しかし、ドアの外で待ち続けていた蓮に気付き、彼女の心は決壊する。蓮は携帯の受電が切れ、仕事の帰り道を迎えに行こうとしていた事情を明かし、樹里を優しく抱きしめる。一方、その頃の鉄平は、過去の記憶に囚われていた。若い頃、先輩から「確実な儲け話」を持ちかけられ、愛する妻との幸せな未来を夢見て投資に手を出してしまったことが、全ての歯車を狂わせていた。かつて守りたかったはずの樹里を、今はただ自分の失敗の象徴として見下す鉄平の歪んだ精神が、静かに浮かび上がる。
101話を読んだ感想・考察
もう、101話にもなって、この二人(樹里と蓮)の距離感がたまらない。樹里が蓮を追い返したのは、自分を大切に扱ってくれないことへの当てつけだったんだよね。本当は構ってほしいし、寂しいなんて口が裂けても言えない。そんな樹里のプライドと、蓮の圧倒的な余裕の駆け引き。蓮が「泣きそうだったから帰らなかった」なんて、どこまで樹里のことを透かして見ているんだろう。強引に部屋へ連れ込んで口づけを熱くかわす二人、あんなの心臓がいくつあっても足りないわよ。樹里が最後に「行かないで」って言葉を呟いだ姿、あそこでやっと二人の境界線が完全に溶け合った気がする。樹里の孤独を蓮がギュッと抱きしめ、酸欠になるほど全部吸い取ってくれるようで、なんだか涙がぽろっと出そうになった。
それに引き換え、鉄平の想いが本当に胸糞が悪くて救いようがない。昔の鉄平は、樹里と幸せな家庭を築きたかったはずなのに。先輩に唆されて、あんな怪しい話に飛びついてしまったのが全ての始まりだったんだね。自分が金持ちになって、樹里を幸せにしたいという甘い誘惑が、結果として樹里を地獄に突き落とした。それを今になって、全部「樹里のせい」だと都合よく脳内変換しているのが、本当に救えない。自分の弱さを認めたくないから、樹里を蔑んで支配することで、やっと自分を保っているなんて、本当にどうしようもない男だよ。
かつて守りたかったはずの妻を、今では一番の汚点みたいに思っている鉄平と、樹里の言葉を全部受け止めて、そのすべてに応える蓮。この対比があまりにも鮮明で、言葉が出ない。樹里がこれまでどれだけ我慢して、どれだけ一人で抱え込んできたのかが、過去が見えたことで、より一層重くのしかかってくる。樹里、もう自分を責めるのはやめてほしい。蓮と一緒にいる時だけは、その鎧を脱いでもいいんだって、そう願わずにはいられないよ。鉄平のあの最後に見せた表情、一体何があったんだろう。過去の過ちを今さら後悔したところで、樹里の傷が癒えるわけじゃないのに‥ほんと、逃した魚はデカすぎだよ。
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102話|赤ちゃんを待ちわびた、あの日の残骸

疫病神!?責任を押し付ける先輩の醜さ。自分たちも被害者のはずなのに、最後は鉄平にすがりついて金を要求する先輩の卑怯さに震えた。自分一人で沈めばいいものを、最後まで人を巻き込んで泥沼に引きずり込むその姿に、激しい怒りが込み上げた。
102話あらすじ
産婦人科を訪れた二人は、残酷な告知を受ける。経済的な余裕のなさを抱えながらも、互いを想い合い未来に希望を抱いていた。鉄平は「お前がいれば十分だ」と樹里を愛し、樹里もまたその言葉を信じていた。しかし、鉄平は「裕福な生活をさせてやりたい」という責任感から、先輩の誘い文句に唆されてしまい、大切に蓄えていた資金のすべてを詐欺まがいの投資につぎ込んでしまう。同じ頃、投資を仲介した先輩もまた、破滅へと向かっていた。すべてが順調だと信じていた夜、鉄平の携帯に鳴り響いた一本の電話。それは、彼らのささやかな幸せが終わりを告げる破滅の合図だった。
102話を読んだ感想・考察
この102話、本当に苦しくて苦しくて、辛かった、いや辛すぎた。まだ希望に満ちていた若い頃の二人を見せられるのが一番きつい。樹里が妊娠していなかったと分かった時、子供なんていらない、お前がいればいいと抱きしめた鉄平の言葉。あれはあの時は嘘じゃなかったんだろうね。でも、結局その「お前がいればいい」という小さな幸せすら、守りきれなかった。身の丈に合わない夢を見させられた鉄平も愚かだけど、本当に許せないのはあの先輩だ。
「誠実な男だからこそいいチャンスを教えたい」なんて、どの口が言っているんだろう。自分も詐欺に加担しているくせに、善人ぶって樹里たちの貯金を根こそぎ奪い取って、最後は泣きついてくる。先輩も騙された側だけど、奥さんが子供を抱いて不安がっていた姿なんて、まさに地獄の入り口だった。鉄平がその言葉を信じて、大事な金を封筒に詰めて差し出した時のあの顔。何が「自分たちは大丈夫」だよ。その言葉一つで、未来ごと全部ドブに捨ててしまったんだと思うと、胸が苦しくてたまらない。
一番怖いのは、「一生懸命生きていればいつか返せる」と信じ込んでしまったところ。あの頃から、樹里の人生を壊す歯車は静かに、でも確実に回り始めていたんだね。鉄平の「裕福にさせてやりたい」という身勝手なプライドが、結果として樹里を永遠に苦しめる呪いになった。そして最後の「もっと金はないか」という先輩の電話。ここで断ればよかったのに、鉄平は断れなかったんだろうな。身寄りがない中で信頼していた、だから自分を追い詰める泥沼に、自分からさらに足を踏み込んでいくしかなかった。誠実さが仇となって裏切られ失望した姿が目に浮かぶ。あの時の泣いていた樹里と、今の疲れ切った樹里の姿が重なって、本当に残酷でしかない。幸せだった頃の記憶が、今や樹里を殺すナイフになってしまった、それでも樹里を反さないという鉄平の傲慢さには言葉を失うわ。
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103話|終わりの始まり、鉄平の負の連鎖

呪縛!?祖母の言葉に縛られ歪んだ鉄平。「泣くな」と教えられ、弱さを見せずに生き抜こうとした結果がこれか。涙を噛み殺してきた孤独な少年時代を思うと、同情心すら湧く。でも、その歪んだ正当化が今の惨状を作っているんだと思うと、どうしようもなく苦しい。
103話あらすじ
かつて先輩の借金を肩代わりするため、信頼していた相手に裏切られながらも樹里の名前で金を借りた鉄平。借金取りに荒らされた部屋で、鉄平は家族を守ると誓いながらも、次第にその言葉は重荷となっていく。孤独な幼少期から祖母に言われた「泣かずに強く生きる」という言葉心に決めていた鉄平だが、過酷な現実に押しつぶされ、ついには自らも他人を陥れる側に転落する。現在、鉄平は樹里に次ぐ新たなターゲットである亜里沙からの金を受け取りながら、自らの行いを「自分はすでに人生を捨てているから」と薄汚れた理論で正当化していた。
103話を読んだ感想・考察
103話で、鉄平の過去が明らかになった。だがしかし、こいつに対する感情が怒りから、底なしの不気味さと哀れみに変わった。幼い頃に葬儀場で「泣いたら負けだ」と祖母から教え込まれて、そこからずっと強がることでしか自分を保てなかったのか。祖母への誓いを守り続けて、誰にも見下されないために必死に生きてきた結果が、他人の人生を壊すことだったなんて、あまりにも救いようがない。荒らされた部屋で、それでも強がって一人で泣く姿を見て、とても胸が締め付けられた。でも、それはあくまで過去の話。今の鉄平がやっていることは、到底許されるものじゃない。
特に今回、心底ゾッとしたのは、鉄平が今の行いを完全に「自分はもう終わった人間だから」って開き直って正当化しているところ。「若い女の人生なんて壊れない」「壊れてもいい」って、自分の痛みすら麻痺させて、他人を自分の泥沼に引きずり込むことを何とも思っていないのが恐ろしい。樹里だけでは飽き足らず、亜里沙という新しい獲物を見つけて、平然と金を受け取っている姿には吐き気がした。樹里がどれほど苦しんで働いているかを知りながら、この男はただ自分の延命のために、次から次へと女を地獄へ突き落としている。どうして樹里にそこまで執着するのか?亜里沙がいるんだから新しい生活を楽しめばいいものを‥「俺には樹里だけ」その思考が、私にはわからん。
この男は、もう自分が誰を愛しているのか、何のために生きているのかすら分からなくなっているんだと思う。ただ、自分の惨めな現実から目を逸らすために、誰かを操って、誰かを裏切って、自分のプライドだけを延命させている。こんな男と一緒にいたら、誰だって樹里のように輝きを失ってしまうはずだ。鉄平の中で、かつて守ろうとした「家族」という概念が、今ではただの食い物に成り下がっているのが、残酷すぎる。これから先、樹里がこの事実を知った時、どうなってしまうのか。あまりにもドロドロで腐っていて、見ていて胃が痛くなる。
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104話|蓮の幼少期の闇が動き出す

呪縛!?蓮のトラウマに胸が張り裂けそう。幼少期の血まみれの記憶と「本性を飲み込め」という言葉。あんな壮絶な闇を抱えて育ったなんて、蓮が樹里を抱きしめる温もりの裏にある孤独の深さを知って、いたたまれず泣き崩れそうになった。
104話あらすじ
幼い頃の凄惨な記憶に苛まれ、悪夢から目覚めた蓮。彼は樹里を抱きしめ、彼女が寝言で自分の名前を呟いたことに驚き、かつて鉄平の名を呼んでいた頃を思い出す。一方、蓮の異母兄は、樹里という存在を蓮の弱点と見なし、彼女を徹底的に監視していた。兄は蓮の行動を全て計算に入れ、彼がどれほど無様に足掻くかを愉しんでいる。譲二もまた、蓮がいつから、どれほどの執念で周囲を観察し計算していたのかを訝しむ。兄は母まで巻き込み、蓮をさらに追い詰めようと画策する。樹里という歪んだ関係の楔が、蓮を破滅の淵へと静かに引きずり込もうとしていた。
104話を読んだ感想・考察
もう、104話、胸が締め付けられるようだった。蓮が抱えている闇が深すぎて、あの穏やかなはずの寝顔さえも、今はただの脆い防壁にしか見えない。幼い頃のあの血だらけの記憶、「本性が出そうになったら己を殺せ」という自己暗示。あれをずっと喉の奥に詰め込んで、静かに生きてきたなんて、蓮という人間がどれだけ孤独の中で必死に壊れないように踏ん張ってきたのかと思うと、ただただ抱きしめてあげたい気持ちになる。樹里を抱きしめる腕にもぎゅっと力が入るのは、きっと自分の存在が消えてしまいそうな不安と、彼女だけは絶対に離さないという執着が混ざり合っているからだよね。
それなのに、あの兄が本当に最低すぎて吐き気がする。弟を壊すこと、追い詰めることをゲームみたいに楽しんで、樹里という存在をただの「餌」としてしか見ていない。蓮がわざと危険に飛び込んだことすら、兄にとっては「なぜだろう」という退屈しのぎの種でしかないのが、本当に救いようがない。家族なのに、どうしてそこまで冷酷になれるんだろう。母親まで利用して、蓮をさらに泥沼に引きずり込もうとする姿からは、人間らしい温かみなんて1ミリも感じられない。劣等感、拗らせすぎだろっ。
特に、樹里が眠りの中で別の男の名前を呼んだ時の蓮の反応。あそこで目を見開く時の彼の心中を察すると、ちょっと嬉しかった。だってかつては鉄平の名を呼び縋っていたから、それが自分のなめを呟く、樹里の中で自分の存在が大きくなっいる証拠でもあるから。彼は最初からすべてを計算し、樹里を守るために、あるいは支配するために、どれだけの時間を費やしてきたんだろう。譲二でさえ蓮の執念を恐れるくらいなんだから、蓮の愛はもう、純粋な感情なんていう言葉では片付けられないレベルまで歪んでいるんだと思う。
結局、樹里が一番危うい場所に立たされている。蓮は自分を守るために戦っているつもりかもしれないけれど、兄はそんな蓮の「大切な人」を壊すことで、蓮の魂そのものを削り取ろうとしている。この先、樹里が蓮の抱える闇の深さに触れたとき、彼女はどうするんだろ。私的には鉄平への想いを超える愛以上のもので包み込みそうな予感がする。二人の間に流れる温かい時間さえも、誰かの思惑の上にある砂上の楼閣みたいで、息が詰まりそうになった。これ以上、蓮の「飲み込んでいる本能」が溢れ出さないことを祈るしかない。
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105話|過去を消し去ろうとする蓮の決意

聖人!?蓮の狂おしいほどの執着に号泣。「彼女の傷は、僕の傷だ」と断言する蓮。樹里の泣き声が耳から離れないという言葉に、ここまで深く樹里を想い、彼女のために地獄を見る覚悟を決めた蓮の愛の深さと狂気を感じて、心臓が握り潰されるほど苦しかった。
105話あらすじ
鉄平への復讐に執着する蓮に対し、譲二は危うい計画を止めるよう忠告する。しかし蓮の心には、樹里がかつて鉄平に抱いていた愛情や思い出が、彼女を再び過去へ引き戻すのではないかという激しい恐怖と独占欲が渦巻いていた。蓮は、自分が樹里にとって唯一無二の存在になるために、彼女の記憶を痛みで上書きするという歪んだ愛を選択する。一方、新しいパン屋で働き始めた樹里は、自分より遥かに若い同僚たちに囲まれ、ここでも自分を卑下してしまう。それでも懸命に仕事を覚えようとする樹里に、同僚から不意に交際相手について尋ねられ、彼女の静かな日常に再び予期せぬ波紋が訪れようとしていた。
105話を読んだ感想・考察
今回の105話、本当に情報量が多すぎて頭の中パンクしそうで整理できない。蓮という男の執着が、もう一周回って恐ろしいし、でもそれ以上に切なすぎて震えてる。樹里の泣き声が耳から離れないから自分の傷だと言い切るなんて、どれだけ深い場所まで樹里を愛してしまっているんだろう。鉄平をただ排除するんじゃなくて、樹里の中にある「過去の残像」さえも、より強い痛みで上書きしようとする姿には、もはや憐れみすら感じてしまう。譲二の言った「人間はナイフで刺されたような傷をおっても、絆創膏を貼られた記憶にしがみつく」っていう言葉が、本当に的確すぎて胸に刺さった。樹里にとって、鉄平との生活は地獄だったはずなのに、それでも人間は「優しかった瞬間」をどうしても切り捨てられないものなんだね。その弱ささえも理解して、蓮はあえて自分が毒になることを選んだ。
対して、新しいパン屋での樹里。仕事ができるのに、自分を「おばさん」と卑下して、若い同僚に対しても低姿勢なのが本当に辛い。あんなに鉄平に虐げられてきたんだから、せめて新しい場所ではもっと自分を大切にしてほしいのに。でも、あの同僚の女性がすごく良い子で救われた。「みんな同じ」なんてサラッと言って、樹里を「お姉さん」と呼んでくれる。あそこで樹里が見せた小さな笑みが、本当にかすかだけど希望に見えた。
なのに、最後の「誰か付き合ってる人いる?」という質問。これって、樹里の心に蓮の存在が入り込んでいるかを確認する残酷な問いかけだよね。樹里は、鉄平という呪縛を捨てた先で、蓮という「より深い泥沼」に足を踏み入れようとしているのか、それとも本当に癒やされる場所を見つけられるのか。蓮の「俺を捨てる方が、あいつを捨てるより痛いと思わせる」という言葉が、これから起きるであろう悲劇を暗示していて、もう見ていられない。蓮の愛は、樹里を救うための特効薬なのか、それとも壊すための猛毒なのか。薬であっても毒に変わることは間違いない。この先、樹里の心に蓮という存在がどう根を張っていくのか‥兄を含め父や母、しかも鉄平、蓮の周りにうろつく悠里の存在も、ややこしくしていきそうだ。
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