机の上に散らばった督促状が、厳しい現実を突きつけていた。借金と疲弊した現実の中で自分を卑下し続けてきた樹里は、蓮への想いを抑えきれず「一緒に住もう」と告げる。薄暗い部屋、震える声。鉄平は樹里を完全な所有物と信じ、亜里沙との暮らしの中で樹里の面影を追い求め、かつての献身を別の女性に強要していた。樹里との過去を嘲笑い、亜里沙に溺れる鉄平の裏で、蓮は樹里の心を手に入れるため、二人の運命を強制的に交差させる破滅の計画を進める。同棲に向けて物件探しを始めた樹里は現実の厳しさに沈み、鉄平は疑心暗鬼のまま探偵に接触。蓮は樹里を想い、不器用な贈り物を抱えて不動産屋を訪れる。
91話|樹里が未来へ踏み出す決断

樹里の全肯定に涙腺崩壊。自分を「おばさん」と卑下し、地獄のような生活を抱える樹里が、それでも蓮を離したくないと泣きながら同棲を切り出す姿に胸が締め付けられた。傷だらけの彼女がようやく掴んだ希望に、嗚咽が止まらない。
91話あらすじ
自分には何も無いと卑下し続けてきた樹里は、蓮に対して自分の惨めな現状をすべて語り、それでも一緒にいてほしいと涙ながらに願い出る。蓮はその不器用で真っ直ぐな告白を受け入れ、樹里を強く抱きしめる。しかし、樹里の脳裏には、かつて夫・鉄平と出会った際の大切な記憶と、その果てに訪れた最悪の裏切りがフラッシュバックしていた。三十三歳で恋の終わりを経験し、ボロボロの日常を必死に生きてきた樹里にとって、蓮という存在はまさに人生最後の救いであり、抗えない誘惑でもあった。幸福な結末を夢見て新たな一歩を踏み出そうとする樹里だったが、その心には拭えない不安がつきまとっていた。
91話を読んだ感想・考察
91話、もう本当に震えが止まらなかったんだ。樹里がどれほど自分のことを「何もない、ただのおばさん」だと卑下してきたか、その重みが言葉の端々から伝わってきて、胸がギュッとなる。でも、そんな彼女が最後に絞り出した「一緒に住もう」という言葉。あれはもう、人生を賭けた命がけの告白だよ。あんなにボロボロの部屋で、それでも蓮っていう光を自分の家にしたくて、自分の惨めささえも愛してほしいと願う姿が、あまりに健気で切ない。蓮が黙って抱きしめた時の、あの沈黙の重みがすべてを物語っている気がして、こっちまで息を呑んだ。
ただ、その後で流れる過去が本当に残酷すぎる。鉄平と出会った時のあの温かかった手の記憶が、今はただの呪いみたいに樹里を縛り付けているんだと思う。灰かぶりのシンデレラって例えが、あまりに彼女の現状を突き刺していて痛かった。鉄平に裏切られて、33歳で心を枯らしてしまった彼女にとって、蓮は救いであると同時に、また同じ失敗を繰り返すかもしれないという恐怖でもあるんだろうね。樹里の人生は、ずっと「生き残るため」に必死で、自分の感情なんて後回しにしてきた。だからこそ、ここで「幸せになりたい」と願ってもいいと思う。
夜道を歩く樹里の背中が、なんだかすごく小さく見えた。蓮という新しい光に向かって歩いているのか、それとも過去の思い出から逃げ出しているのか。彼女はこれからどんな結末を描くんだろう。「幸せに暮らしましたとさ」なんて簡単な結末じゃないことは分かっているけれど、それでも彼女には、もう二度とシンデレラのガラスの靴を割られたりしないでほしい‥樹里の選んだ道が、どうか少しでも光に繋がっていますように、本当にそう願った。
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92話|亜里沙の前で樹里を求める鉄平

悪魔!?樹里への執着と傲慢さに戦慄。自分を棚に上げて樹里の愛を「利用されるもの」と決めつける鉄平の思考に、吐き気がするほど腹が立った。自分は亜里沙といながら、樹里には変わらず尽くせと願うその身勝手さは、もはや救いようがない。
92話あらすじ
深い傷を負いながらも、樹里のためなら全てを捨てて立ち向かう蓮の姿を横目に、鉄平は酒場で自堕落な夜を過ごしていた。樹里との接触が途絶えて半年が経過する中、鉄平は自分の正当性を疑いながらも、根拠のない自信で樹里がいずれ戻ってくると決めつけていた。かつての樹里の献身を思い出し、彼女が自分なしでは生きられないと歪んだ確信を抱く鉄平。そんな中、帰宅した亜里沙に対し、彼は樹里に作らせていた豆もやしスープを要求する。かつての妻の愛を亜里沙に押し付け、自分自身の満たされなさを埋めようとする鉄平の姿は、冷え切った関係の象徴のように暗い影を落としていた。
92話を読んだ感想・考察
92話、気分がズンと最低になった。樹里は自分の人生を削って必死に生きているのに、鉄平の脳内はなんて平和で、なんて身勝手なんだろう。鉄平が酒場で「樹里は自分から離れられない」なんて確信している姿、あそこが一番心底寒気がした。自分は亜里沙と遊び回って、樹里と別居しているにもかかわらず「過去にもあった半年の断絶」と同じだと処理しようとしている。あの時の「樹里が結局戻ってきた」という成功体験が、今の彼をここまで傲慢にさせているんだと思うと本当に胸糞が悪い。
特に、樹里がかつて鉄平に尽くしていた記憶のフラッシュバック。傷だらけの手でスープを作って、心配して声をかけているのに、それを「うるさい」「子供じゃない」って蹴散らす鉄平の姿が本当に許せない。鉄平にとっての樹里は、人間じゃなくて、ただ自分の機嫌を損ねないための道具か、便利な家政婦でしかなかったんだ。樹里が泣いているのを「あざとい」とか「計算だ」って決めつけることで、自分の罪悪感から逃げているだけにしか見えない。本当に、ここまで人を傷つけておいて「自分を捨てられないはず」って思える脳内に疑問が湧く。
そして何より、亜里沙に対する態度はもう最悪でダメだろ。樹里の愛の形を、そのまま亜里沙に投影して豆もやしスープを要求?!さすがに引いた。亜里沙を樹里の代わり、あるいは樹里と比較する対象としてしか見ていないし、鉄平という男が樹里の呪縛から一生逃れられない、あるいは樹里の愛を一生食い物にするつもりなんだという絶望感が伝わってきた。樹里が今、どんなに苦しい思いをして、やっと蓮という新しい光に出会おうとしている時に、この男は過去の亡霊を追いかけている。早く、一刻も早く樹里がこの男から完全に解き放たれてほしい。もう、鉄平の思考に触れるだけで心が黒く染まりそうだわ。樹里がどれほど深い愛情をこの男に捧げていたのか、本当に切なくてやりきれない。
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93話|蓮の策略が鉄平を追い詰める

罠!?蓮の狂気的な執着に戦慄。樹里と鉄平を再会させ、鉄平に後悔させるという蓮の計画。樹里を守るためと言いつつ、彼女の平穏を犠牲にしてまで鉄平を壊そうとするそのやり方は、あまりにも歪んでいて狂気を感じた。
93話あらすじ
鉄平は亜里沙との新生活の中で、献身的な樹里を「味気ない人形」と切り捨て、亜里沙を「愛を求める可愛い存在」と都合よく比較して自尊心を満たしていた。そんな中、ボロボロになりながらも自分への執着を見せる樹里の姿を思い出し、鉄平は自己満足の悦びに浸る。一方で、蓮は樹里への異常なまでの独占欲を募らせていた。蓮はついに、樹里の住むアパートへと引っ越すという強硬手段に出る。そして、蓮は樹里と鉄平の縁を完全に断ち切らせるため、あえて二人が再会するように仕向けるという、残酷で歪んだ計画を実行に移そうとしていた。
93話を読んだ感想・考察
93話、もう感情が振り回されて頭がくらくらしてめまい起こしそう。譲二の「高レベル」なんていう軽口も、もう笑えない状況になってきていて、組織のドロドロした内情が改めて突き刺さった。でも、それ以上に鉄平のクズさ加減が突き抜けていて、読むたびに心がが削られる。樹里がどれだけ自分を犠牲にして支えていたかなんて、あの男は一生理解できないんだろうね。亜里沙と比べた時のあの薄っぺらな優越感、本当に見ていられない。樹里のことを「人形」みたいだったなんて、どの口が言っているの?あんなに必死に働いて、身を粉にして尽くしてくれた妻を、そんなふうにしか思い出せないなんて、人間としての品格が無さすぎる。
そして蓮だよ。もう、この男が一番怖いかもしれない。樹里に怪我を手当てしてもらった記憶を、まるで宝物みたいに思い返しているいるかと思えば、次の瞬間には「彼女を捨てられないようにするために」と、樹里の生活圏に侵入してくる。しかも、鉄平を後悔させるために、あえて二人を再会させるなんて、それって樹里の心をもう一度ズタズタにするってことじゃないの?蓮にとって樹里は、純粋な恋の対象というより、自分の執着を満たすためのパズルの一部になってしまっている気がして怖い。樹里のことを本当に大切に思っているなら、鉄平なんて影も形もない場所に連れ出してあげればいいのに‥。傷ついた樹里を見たからこその行動なだろうけどかなり無謀だよ。
樹里がもし、蓮の計画通りに鉄平と再会してしまったら、今度こそ完全に壊れてしまうんじゃないかって、震える。蓮は「終わりにするため」って言っているけれど、結局は蓮自身が鉄平を倒して、彼女のすべてを支配したいだけに見える。樹里が誰にも汚されず、自分の人生を取り戻せる日は来るんだろうか。亜里沙が鉄平に告げた「あの女を見かけた」っていう言葉。運命の歯車が最悪の方向に回り始めているのが分かって、胃のあたりがずっと重苦しい。二人の男に翻弄される樹里が、いつか本当の笑顔を取り戻せる日が来ることを願うしかない、けれど、今はただ、蓮の狂気が樹里を飲み込んでしまわないか心配で仕方ないよ。
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94話|新生活を夢見る樹里の一歩

希望!?将来を語り合う二人の甘い時間に感涙。借金に追われて擦り切れていた樹里が、蓮との同棲を夢見て物件を探す姿に泣けた。どんな場所でもいい、一緒にいられれば地下でもいいと言う蓮の言葉。ようやく手に入れた「普通の幸せ」に、胸が締め付けられた。
94話あらすじ
過去のしがらみからようやく解放され、樹里は蓮との新しい生活に向けて動き出していた。二人は、同棲という希望を胸に未来を語り合う。樹里は仕事を探し、物件情報に頭を悩ませながらも、その心は蓮との未来で満たされていた。一方、蓮は会社で兄と対峙し、これまで抑えていた感情を爆発させる。樹里という存在を侮辱された蓮の怒りは、兄への静かな宣戦布告へと変わる。樹里が新居を探して奔走する裏で、蓮は確実に復讐の準備を進めていた。そんなこととは知らず、樹里は高級住宅街で物件を探すという無謀な現実に直面し、偶然にもかつての亜里沙の影を追い越していく。
94話を読んだ感想・考察
94話まで来て、ようやく樹里に「自分のための人生」が見えてきた気がする。これまでただ借金を返すため、鉄平の機嫌を取るために生きてきた彼女が、自分から「一緒に住もう」って言えるようになったのは本当に大きな進歩だよね。蓮の腕の中で、普通のカップルみたいに将来を相談する姿は、読んでいて本当に癒やされた。蓮の「地下でもいい」なんて重い重いも、今の樹里には何よりの救いだったんだろうな。耳元でヒソヒソ話す蓮の距離感の近さ、もう完全に二人の世界になっていて、見てるこっちまで、いやぁ照れてしまった。
でも、その裏で進んでいる蓮の復讐劇が本当に怖い。兄に対して首を絞める時の、あの冷静な表情。今までの蓮が嘘みたいに冷徹で、ゾクゾクした。蓮にとって樹里は、単なる恋人じゃなくて、今の自分の生きる理由そのものなんだろうね。だからこそ、彼女を侮辱されたことが決定的な引き金になった。兄が言った「まだ始まっていない」という言葉に対する、蓮の「これからだ」っていう返し。二人には幸せになってほしいけど、蓮が深淵に足を踏み入れていく様子は、見守るのが本当に苦しい。
そして最後、樹里が物件を探して歩いている先で、偶然にも亜里沙の存在を感じる不穏なカット。これから二人が平穏に暮らすには、あまりにも周囲の障害が大きすぎる。樹里はただ、狭くてもいいから蓮と二人で安らげる場所が欲しいだけなのに、それがこんなにも高く険しい壁に感じられるなんて。高級街のビルを見上げる樹里の姿が、今の彼女の現実を突きつけていて切なくなった。蓮は復讐に、樹里は生活に、それぞれが全く違うベクトルで必死に戦っている。この二人が同じ場所にたどり着く日は来るのかな‥蓮の策略が樹里の知らない間にじとーっとまとわりついてきて、心が落ち着かないよ。
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95話|家賃の壁が樹里を苦しめる

聖人!?スマホを「景品」として渡す蓮の健気さに涙。自分を犠牲にしてでも樹里に連絡手段を、という想いが痛いほど伝わった。あのダサいラッピングを店員に強要してまで、樹里に気を遣わせないようにする蓮の優しさが、不器用すぎて泣けてくる。
95話あらすじ
新居を探しに不動産屋を回る樹里だったが、現実は甘くなく、予算内ではまともな住まいすら見つからず打ちのめされる。一方、樹里を信じられず亜里沙の言葉を鵜呑みにした鉄平は、密かに探偵を雇い、樹里を探し始めていた。そんな中、蓮は樹里との連絡手段を確保するために密かに行動を起こす。樹里に経済的な負担を感じさせないよう、新しいスマホをまるで「景品」のように装ってプレゼントしようと準備していたのだ。何も知らない樹里は、予算の都合で物件探しに行き詰まり途方に暮れるが、皮肉にも蓮は樹里が訪れたばかりの不動産屋の扉を開く。
95話を読んだ感想・考察
95話にして、いよいよ崩壊と再生の境目に立たされている気がする。不動産屋での樹里の姿が本当に痛々しかった。かつて鉄平が甘い言葉で語っていた「宮殿のような家」という夢が、今はただ樹里の首を絞める呪縛にしかなっていない。予算を告げた時の店員の冷ややかな視線や言葉が、今の樹里の社会的な立ち位置を突きつけているようで、胃が痛くなった。普通に生きていこうとするだけで、どうしてこんなにも困難が積み重なるんだろう。お金がないってだけで、惨めな気分になる現実って辛いよね。
それに引き換え、鉄平の汚らしさが際立っていたね。もう宇宙まで!自分が不倫して家庭を壊しているくせに、亜里沙の言葉を信じて探偵を雇うなんて、どこまで自分勝手なんだろう。探偵にまで嘲笑されて、それでも自分の非を認めずに「探しに来た」なんて強がっている姿が、本当に滑稽で惨めだ。樹里が今、どれほど必死に未来を見据えようとしているか、今の鉄平には想像もつかないんだろうな。
そんな暗い空気を、蓮の行動だけが唯一の光で、同時に少しだけ怖くもあった。スマホを「景品」として偽装してまで渡そうとするあの執念というか、溺愛っぷりがすごい。店員まで困惑させるほどの大真面目なラッピングに、蓮の「樹里に借りは作らせない、でも自分の世界に引き込みたい」という重たい愛が詰まっている気がする。
蓮が不動産屋に現れたということは、樹里の予算の少なさも、彼女の苦悩も、全部、蓮は把握しているんだろうね。鉄平という「支配の鎖」と、蓮という「献身の檻」。樹里がどちらを選んでも、もしくは両方に引き裂かれても、彼女の人生はもう元には戻らない。95話にして、樹里という一人の女性が、ようやく自分自身のための選択を強いられる場所に立たされたんだと思う。この後、幸せであってほしいけれど、絶対にただでは済まない予感がして、正直、怖くてたまらない。樹里はどうなるんだろう、私は怖い。
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