幸せな記念日を迎えるはずだった樹里の日常に、少しずつ不穏な変化が重なっていきます。夫を信じ続ける樹里と、そんな彼女を気にかけながらも距離を置こうとする蓮。それぞれの思いが交錯するなか、樹里は思いもよらない形で夫婦関係の現実と向き合うことに。心が大きく揺さぶられる出来事を経て、彼女のそばに残った蓮の存在が、次第に大きな意味を持ちはじめます。
16話|結婚記念日の裏で始まった蓮の影
鉄平の身勝手な正当化の裏で蓮の決意が動き出す
蓮が樹里の腫れた目を見つけて、いつものようにコーヒーを渡しながらちょっかいを出してくるところ、もう本当に蓮らしいなと思った。でも樹里が「叱るだけ無駄」と力なく流してしまうのが苦しい。あれだけ元気だった樹里が、こんなふうに何もかも諦めたような反応をするなんて……。
それでも蓮は引かないんですよね。結婚記念日だから会わないでほしいと言われても、好きな人が別の男性と親しげにしていたら嫌だと、自分ならどう感じるかを真っ直ぐ伝える。しかも樹里がまだ鉄平を信じようとしていることを、蓮は分かっている。だからこそ、最後には何もせず引く。この「待つ」という選択が、逆にものすごく怖いんです。
そして鉄平。いや、ちょっと待って。あなた、亜里沙を家に連れて行くの?樹里が結婚記念日のために仕事を休んで、あなたと食事をしたいと思っていた日に?もう、ここまで来ると胸が痛くなる。
しかも鉄平は、樹里が十年間耐えてきたから今回も大丈夫だろうと勝手に考えている。樹里が我慢してくれることを、愛情ではなく「何をしても許される」という都合のいい免罪符にしているのが本当に苦しいよ。亜里沙が自分を受け入れてくれるから、樹里だって大丈夫。そんな理屈、樹里の気持ちを一度でも考えたら出てこないでしょう。
一方で、樹里が「私も遅くまで仕事だから」と嘘をついている姿にも胸が詰まる。楽しみにしていた自分が傷つかないように、また自分で自分を慰めているんだもの。
そして最後の蓮……。ここで譲二まで動かしていたことが分かって、ぞくっとした。樹里の知らないところで、もう鉄平の動きを追っているんだよね。電話の向こうに誰を呼んでいるのかも分からない。でも、あの冷ややかな目を思い出すと、ただの偶然で終わるはずがない。
蓮、いったい何をするつもりなの。お願いだから、樹里がこれ以上泣くような結末だけはやめて……!
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17話|樹里の帰宅を待つ夫婦の亀裂と蓮の計画
結婚記念日に重なる蓮の優しさと樹里を待つ現実
樹里の結婚記念日、もうこの時点で胸がザワザワする……。鉄平は亜里沙を連れて樹里の家へ向かっているのに、樹里は何も知らず、「もしかしたら今日は鉄平が迎えに来てくれるかも」なんて、ほんの少しだけ期待してるんですよね。その小さな期待が、あまりにも切ない。
しかも蓮ですよ!大量のカイロを抱えて、体調まで崩して、それでも樹里の前に現れる。樹里が心配してしまうのも当然だと思う。ずっと誰かのために働いて、自分のことは後回しにしてきた樹里が、今度は「放っておけない」と蓮を気遣うんです。この関係、少しずつ変わってきてるよね。
そして蓮に「また前みたいに会いに来てもいい」と伝える樹里。蓮にとっては、きっとものすごく嬉しい言葉だったはず。ところが、その直後ですよ。自宅に灯りがついている。しかも中から、鉄平と見知らぬ女性の声……。いや、ここで終わるの!?樹里、お願いだからまだ扉を開けないで……!
これまで樹里は、鉄平への疑念が浮かんでも「きっと自分の考えすぎ」と何度も飲み込んできた。でも今回は違う。自分が家にいない時間に、夫が誰かと一緒にいる。その事実を、もう見なかったことにはできないところまで来てしまった。
しかも隣には蓮がいるんですよね。樹里を心配して、ずっと近くにいた蓮。夫への信頼が崩れそうな瞬間に、蓮の存在がこんなにも近くにあるなんて……。ああ、これは樹里の人生が本当に動き出す瞬間なのかもしれない。怖い。でも、次に樹里が何を見て、何を感じるのか、もう気になって仕方ない。
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18話|樹里が知った夫の裏切りと蓮の暖かさ
樹里の深い絶望に、静かに寄り添う蓮の優しさが本当に胸に沁みる。
いやもう、樹里がかわいそうすぎて言葉が出ない……。ずっと「夫はそんな人じゃない」と信じようとして、疑う自分の方を責めて、それでも結婚生活を守ろうとしてきたのに、とうとう自分の家で現実を突きつけられてしまうんですよね。しかも、その相手が亜里沙。もう逃げ道がないじゃん……。
それなのに樹里、逃げなかったんですよ。ドアの前で立ち尽くして終わりじゃなく、自分の目で確かめるために家の中へ入っていく。この瞬間だけは、「もうこれ以上傷つかないで」と思いながらも、樹里自身が真実と向き合おうとしているのが伝わってきて、胸がいっぱいになる。
そして鉄平の態度が本当にひどい。自分が何をしていたのかを省みるどころか、樹里が帰ってきたことを責め、夫婦として過ごしてきた時間まで簡単に切り捨てるような言葉をぶつける。樹里にとっては、夫を失っただけじゃないんですよね。信じてきた10年間そのものを否定されたようなもの。そりゃあ、涙すら出なくなるよ……。
割れた花瓶と散らばったバラを見つめる樹里の姿がまた苦しい。あの花って、樹里が初めて自分自身のために買ったものだったんですよね。蓮とのやり取りを通して、少しずつ「自分のために何かを選ぶ」ことを覚え始めた樹里。その花まで壊れてしまうなんて、象徴的すぎる。
でも、そこで蓮が来る。ここで感情が一気に動くんですよ!鉄平への怒りを抱えながらも、蓮が樹里に求めるのは何かを返してもらうことじゃない。ただ隣に座って、泣き続ける樹里をそっと支える。ずっと一人で耐えてきた樹里が、最後には蓮へ身体を預けるんです。ああ……やっと誰かに寄りかかった。今まで我慢しすぎた樹里が、ほんの少しだけでも人の温もりを受け取れたことが、苦しいのに救いに感じられてしまう。
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19話|樹里の代わりに花屋で働く蓮の献身
倒れた樹里の代わりに働く蓮と深まる二人の距離
いやもう、樹里……とうとう倒れちゃったか。ここまでずっと休むことも、自分をいたわることも後回しにしてきたんだから、そりゃ身体も限界になるよ。むしろ今まで倒れなかったことの方が不思議なくらいで、「理解できない」と言う譲二の気持ちも分かる。でも蓮は、そんな樹里の生き方を笑って受け止めるんですよね。ここ、蓮の樹里への見方がすごく表れてる気がする。
そしてまさかの花屋勤務!蓮、何してるの!?と思ったけど、これがまた妙に堂々としてるのが面白い。看板役を任されて、普段のミステリアスな雰囲気からは想像できない格好で客を呼び込む姿には、思わず笑ってしまう。しかも子どもとのやり取りでは、樹里のことをさらっと特別扱いするような言い方をするんですよね。もう、隠す気あるのかないのか分からない!
一方で、樹里は病院で目を覚ましても、心はまったく休めていない。鉄平と亜里沙のことが頭から離れず、花屋に無断欠勤したことまで気にしている。あれだけ傷ついた直後なのに、真っ先に仕事のことを考えてしまうところが、樹里らしいというか……それがまた切ないんですよ。自分が倒れるまで頑張ったことさえ、まだ「迷惑をかけた」と考えてしまう。
でも、花屋では蓮が樹里の代わりに働いている。樹里がずっと背負ってきたものを、今度は蓮が少しだけ引き受けようとしているんですよね。これ、すごく大きな変化じゃない?
そして最後ですよ。病院で震えている樹里のところへ蓮が現れて、何でもないことみたいに額へ手を当てる。もう、この優しさが沁みる……。樹里が欲しかったのは、きっと大げさな言葉じゃなくて、「大丈夫?」と気にかけてもらえることだったんじゃないかな。今までずっと誰かを支える側だった樹里が、ようやく誰かに支えてもらう側になる。その瞬間が、静かなのにものすごく胸に残ります。
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20話|樹里に想いを伝えた蓮と動き始める周囲の思惑
蓮の告白と樹里の戸惑い
蓮、そこで言うの!?樹里が夫の裏切りを知ったばかりで、まだ心の整理もできていないのに、その気持ちを否定するどころか「簡単に吹っ切れるなら愛じゃない」と受け止めるんですよ。これ、樹里にとってかなり大きな言葉だったと思う。だって今までずっと、自分が夫を信じ続けることさえ「情けない」と責めていたわけだから。その気持ちを初めて誰かに肯定してもらえたんですよね。
そして、そこからの流れが強すぎる!樹里が「誰が自分なんかを好きになるの」と自分を低く見た瞬間、蓮が迷いなく好意を伝える。樹里は当然びっくりするし、真正面から受け止める余裕なんてない。でも、耳元まで赤くなって、低い声をくすぐったがるように逃げるのが、なんだか久しぶりに見た樹里の女の人としての反応に感じられて、ちょっと胸が熱くなる。
しかも蓮、病院代まで自分で払ってるし、焼肉屋の助っ人まで用意してるし……いやいや、どこまで樹里の生活に入り込んでいくの!?樹里が今まで一人で抱えてきた負担を、蓮が当然みたいに引き受け始めているんですよね。樹里自身はまだ戸惑っているのに、蓮の行動だけがどんどん先へ進んでいく感じがする。
一方で、鉄平は亜里沙と連絡がつかず、光も蓮から返事が来なくて苛立っている。そしてそこへ譲二まで現れる。もう周囲の人間関係が一斉に動き始めてるじゃん!樹里と蓮の距離が近づくほど、鉄平側には不穏な空気が広がっていく。
最後に蓮へ届く「話したいことがある」という知らせも気になる。樹里にはまだ見えていないところで、何か大きな事情が動いているのかも。蓮が樹里に「会いたい」と送って、明日まで我慢してという返信に嬉しそうにする一方で、その背後では別の歯車が回り始めている。この温度差、めちゃくちゃ気になる……!
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