新居探しのチラシを見つめるほど、孤独が深く染み込んでいく。蓮の面影にすがりつく樹里の前で、蓮の兄が放った追跡者と、かつての知人・光の影が日常を狂わせ始める。新居探しのチラシ、薄暗い内見の部屋、冷たい玄関の鍵。蓮を遠ざけようとする樹里のもとへ、宿泊客を装った蓮が不穏に現れる。借金の督促状、再就職の不採用通知、浮気相手との再会。惨めな現実に打ちのめされ、樹里は蓮との関係に縋るしか自分を保てない。ぬいぐるみの柔らかさに癒やされながら、黒い影を振り払うためネオン街へ飛び込み、二人は逃れられない深い結びつきへ進んでいく。
71話|蓮の刺繍が示す不器用な献身

恍惚!?蓮の服に包まれて一人で悶える樹里に胸が締め付けられた。あんなに頑なに自分を律していた樹里が、不在の蓮の服を被って匂いを嗅ぐ姿。その孤独と、どうしようもない恋心への渇望が溢れ出ていて、見ていて切なさと愛おしさで胸が張り裂けそうになった。
71話あらすじ
深い孤独の中で、樹里は夢の中に現れる蓮の存在に心を乱されていた。不在の蓮の服に顔を埋め、その温もりに縋り付く自分が惨めで、けれど心地よいという矛盾した感情に支配される。一方、蓮はそんな樹里を遠くから想い、裁縫を習ってまで彼女へのプレゼントを用意していた。しかし、そんな穏やかな時間は長く続かない。蓮の純粋な性格を忌み嫌う兄は、彼の行動を監視し、身辺を暴こうと画策する。さらに、蓮の過去を知る光が、二人の関係性に気づき始めたことで、平和な日常の裏側で確実に破滅の足音が忍び寄っていた。嵐の前の静けさは、もうすぐ終わりを告げようとしている。
71話を読んだ感想・考察
71話、あまりにも不穏で、でもどこまでも美しくて、感情のやり場がない。樹里が蓮の服を着て匂いを嗅いでいる姿、あれはもう限界サインだよね。今まであんなに必死に理性で自分を抑えて、鉄平という呪縛の中で息を潜めて生きてきた樹里が、蓮という存在に触れたことで、もう自分を偽ることができなくなっている。布団の代わりに蓮の服を着るなんて、あんなに大胆な行動を、樹里自身が「魔が差した」なんて言い訳しているのがまた愛おしい。彼女の中で、蓮はただのバラの青年じゃなくて、暗い夜に唯一の光をくれる存在になってしまったんだな。
その一方で、蓮がクマのぬいぐるみに一生懸命刺繍をしている姿。あの殺伐とした極道のような家系の中で、そんなに不器用で、けれど真っ直ぐな愛の形があるなんて、ギャップが凄すぎて笑えてくる。譲二の言った「ホラー映画を見ているようだ」っていう言葉、本当にその通りだと思う。血に塗れたはずの男が、愛する人のために心を込めて針を動かす。この対比が、蓮の純粋さをより一層際立たせているよね。蓮が「樹里に待てと言われたから」と従順に待っているのも、彼なりの最大の誠実さなんだろうけど、外側では確実に悪意の渦が巻いていて、その危うさがたまらない。
特に嫌なのが、蓮の兄の存在。彼にとって蓮の純潔や善良さは、理解不能な「欠陥」でしかないんだね。血の繋がった弟をそこまで見下して、面白おかしく弄ぼうとする性根の腐り方に、虫唾が走る。そして、最後に登場した光。彼女が樹里の正体に気づき始めた時の、あの勝ち誇ったような冷ややかな笑み。これから樹里がどんな目に遭わされるのか、想像するだけで怖すぎる。蓮の兄と光という、二つの最悪な悪意が線で繋がった時、樹里と蓮の穏やかな関係が、一気に引き裂かれてしまいそうで‥、一瞬たりとも気が抜けないね。
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72話|樹里の日常へ忍び込む危うい誘い

聖域!?蓮の不器用な献身と孤独な寂しさ。樹里のいない場所で、クマのぬいぐるみに刺繍をする蓮の姿が愛おしくてたまらない。寂しさを抱えながらも樹里の言葉を守る彼の健気さと、それでも溢れ出る執着に、涙腺が崩壊しそうになった。
72話あらすじ
新たな住まいを探す樹里は、不動産屋でつい自分を既婚者だと嘘をついてしまう。一方、蓮は仕事も休んでクマのぬいぐるみに刺繍するという常軌を逸した行動を見せていた。そんな中、蓮の異変と樹里の存在を嗅ぎつけた蓮の兄は、樹里を「捨てられた残り物」と卑しめ、弟の興味がすぐに冷めるだろうと高笑いする。樹里は蓮を避けて平穏を保とうとするが、心の中では彼からの連絡を待ち、次第にその愛情に慣らされていく自分に戸惑っていた。そしてある夜、樹里が働く場所に、宿泊客として蓮が突然現れる。「怖いから一緒にいてほしい」という甘い言葉で、樹里の心の壁を内側から崩し始める。
72話を読んだ感想・考察
72話、心が持ちそうになかった。樹里が一生懸命に自分の城を作ろうとして、「休息の場所になりたい」なんて健気なことを考えているのに、外側では着々と彼女を傷つける準備ができているのが本当に恐ろしい。特に蓮の兄、あの男の言葉一つひとつが汚すぎて、汚泥を飲み込むような気分になった。樹里のことを「過去の傷ある女」だとか「ババア」だとか、どうしてそんなに無慈悲になれるんだろう。自分の弟が選んだ人だからって、自分より価値がないと決めつける傲慢さが本当に嫌い。こういう上から目線の人間が一番、本当の愛なんて一生理解できないんだろうな。樹里が必死に生きてきた13年を、あんな風に嘲笑のネタにされるなんて、あってはならないことだと思う。
それでも、そんな兄の言葉とは裏腹に、蓮の樹里への想いが重すぎて、どこか壊れてしまいそうな危うさがたまらない。クマぬいぐるみに刺繍をして、彼女が来るのをただ待っているなんて、普通に考えれば異常だし、蓮は完全に樹里に「飼いならされて」しまっている。いや、飼いならしているのは樹里の方なのか、それとも蓮が樹里の心を物理的にも精神的にも追い詰めているのか。境界線が分からなくなってくる。樹里だって、最初は自分から距離を置こうとしたのに、いざ蓮がいなくなると喪失感でいっぱいになって、彼の服を毛布のように抱きしめている姿が本当に痛々しい。お互いに依存しすぎて、もう正常な判断なんてできないところまで来ているんだろうね。
で、、、最後のバイト先のでシーン、ゾクゾクした。怖くて眠れないから一緒にいてなんて、あんなに真っ直ぐな瞳で言われたら、どんな聖人君子でも突き放せないよ。蓮は、樹里が逃げられないことを分かっている。樹里の「自分の居場所が欲しい」という願いを、蓮という危険すぎる男が、暴力的に、でも優しく塗りつぶそうとしている。これから樹里がどうやってこの沼から這い上がるのか、それとももう一生這い上がれないのか。蓮兄の母まで出てきて、事態はさらに泥沼化しそう。樹里の人生が、彼らの欲望の渦に飲み込まれて、美しくも無残に壊されていく過程を、これからも見届けないといけないなんて。
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73話|密着で樹里の思考が飛ぶ瞬間

亜里沙との遭遇で凍りついた心。街中で偶然見かけた元夫の浮気相手。樹里が惨めに生きている一方で、彼女は幸せそうに電話をしている。自分が犯人みたいに隠れなきゃいけないこの惨めさが、心臓を直接握りつぶされるように痛くて、本当に吐き気がした‥
73話あらすじ
蓮との秘め事により、樹里の心は甘く、そして抗えない依存へと堕ちていく。生活の困窮が極まる中、樹里は必死に求職活動を続けるが、現実は冷酷で門前払いの日々が続く。借金と疲労に追い詰められ、出口のない沼に沈むような感覚に溺れる樹里。そんなある日、街中で偶然にも元夫の相手である亜里沙の姿を目撃する。自分が被害者であるはずなのに、なぜか逃げ惑い隠れるしかできない己の惨めさに、樹里は激しい自己嫌悪に苛まれる。記憶がフラッシュバックし、かつての屈辱が蘇る中、信号待ちで二人は並ぶことになり、樹里の精神は崩壊寸前まで追い込まれる。
73話を読んだ感想・考察
本当に、なんて残酷な一日なんだろう。路地裏で蓮と寄り添い合っている時のあの背徳感。樹里は不安でたまらないんだと思う。蓮が誰かに取られるんじゃないか、自分は彼に相応しいのか。そんな不安を打ち消すように、彼の首筋に執拗に形を残そうとする姿が、もう狂おしいほど切ない。蓮だって、それを分かっていて樹里を煽っているよね。自分を誰にも見せたくない、独占したいという歪んだ感情が、二人の関係をさらに濃い泥沼に引きずり込んでいる。蓮という男は、樹里の心の隙間を埋めるどころか、もっと深い場所に新しい傷を刻んでいる気がして怖い。でも、あの瞬間の樹里にとって、彼だけが唯一の逃げ場だったというのも、紛れもない真実なんだろうね。
そして、その直後に訪れた亜里沙との遭遇。これが本当にキツかった。樹里がどれほど惨めな思いをして、鉄平の残した尻拭いをしてきたか。それなのに、街中で幸せそうな亜里沙を見て、樹里が真っ先に感じたのが「怒り」ではなく「逃げ出したい」という恥じらいだったのが、本当に胸に刺さった。自分が何をしてきたのか、どう生きているのか、誰にも見せたくない。そんなプライドだけが、最後にかろうじて樹里を繋ぎ止めているみたいで見ていられない。彼女は自分の惨めさを、一番隠したい相手に突きつけられた気分だったんじゃないかな。
職探しも、もうどうしようもないくらい詰んでいる。学歴なんて関係ないほど必死に働いているのに、社会の冷たさが樹里を完全に追い詰めようとしているみたい。そんな過酷な現実の中で、結局、蓮の顔が頭をよぎるんだよね。自分を醜くした元夫の存在も、どん底の生活も、蓮と一緒にいればなかったことにできる。そんな歪んだ甘さに逃げ込んで、どんどん自分が壊れていくのを感じているはずなのに、もう戻れない。横断歩道で亜里沙の隣に立ちながら、信号が変わるのを祈る姿が、まるで自分の人生の転換点を待っているみたいで息が詰まった。後ろから伸びてきた手は、誰のものなのだろう。
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74話|蓮の贈り物が樹里の心を射抜く

まるで運命!?二人で逃げ出す姿に号泣。「一緒に逃げる?」という蓮の問いかけに、必死に理性で拒絶する樹里。でも、蓮の抱える深い傷や痛みに気づき、自分の身を挺してでも彼を守ろうと走り出す姿に、胸が締め付けられた。もう引き返せない所まで来たね。
74話あらすじ
蓮から贈られた手作りのクマのぬいぐるみに救われる樹里。しかし、過去に夫から同じように捨てられたぬいぐるみを見て、否定された記憶が樹里を苦しめる。そんな中、蓮は自身の危険な素性を隠しながらも樹里を連れ出し、二人で逃げようと誘う。幸せなひとときも束の間、街には二人を狙う不穏な追っ手の影が忍び寄っていた。焼き肉屋で働く譲二もまた、店に潜り込んでいた刺客を撃退し、事態の深刻さに気づく。誰かに追われる恐怖、そして蓮が抱える深い闇を悟った樹里は、持ち前の危機察知能力で蓮を連れ、あえて危険なネオン街の奥深くへと足を踏み入れる。
74話を読んだ感想・考察
74話、ずっとバクバクしっぱなしだった。蓮が手作りしたぬいぐるみなんて、そんなの反則じゃない?不器用で、しかもあの危険な香りを漂わせている蓮が、樹里の眠れない夜を想って縫い物をするなんて。樹里がどれだけ鉄平に心を殺されてきたか、蓮は全部わかっているんだね。あのクマを見て、かつて鉄平に否定された記憶がフラッシュバックする樹里が本当に可哀想で……。でも、蓮はその悲しみまで全部受け止めて、一緒に逃げようって言った。樹里は「大人が仕事から逃げちゃだめ」なんて必死に自分を縛り付けているけれど、その心はもう蓮に向かって全速力で走り出しているのが伝わってきて、こっちまで泣きそうになったよ。
それにしても、蓮のシャツのボタンをわざと外す樹里の仕草が、もう何というか……独占欲?「私のもの」っていう無意識の主張に見えてドキドキした。すれ違う女たちが蓮を狙って盛り上がっている中で、樹里だけが蓮の隠された傷に気づき始めている対比が最高に痺れる。蓮が追われていることに気づいた瞬間、スイッチが入ったみたいに蓮の手を引いて走り出した樹里の姿は、いつもの疲れ切ったおばさんじゃなかった。人生を逃げ回って生きてきた人間だけが持つ「野生の勘」みたいなものが覚醒したんだよね。
譲二の裏の顔もついに明らかになって、一気にサスペンス色を強めていく感じ。蓮がわざと連れ出したのか、それとも追っ手に気づいて遠ざけようとしたのか。二人で逃げ込んだ先が「大人の世界」のネオン街っていうのが、また笑えてくる。大人たちの汚くて危ない場所なら、逆に追っ手も目立って動けないかもしれないという樹里の賭けなのかな。蓮の抱える深い傷や痛みが、樹里をさらに強くしていくようで、ワクワクすると同時にものすごく怖い。もう元には戻れないところまで来てしまったけれど、樹里には蓮と一緒に、この地獄みたいな日常を強引にでも壊して突き進んでいってほしい。二人でなら、どんな暗闇だって抜け出せるはずだよ。
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75話|境界線を溶かす秘密の口づけ

救済!?蓮の「全部初めて」の告白に号泣。自分を遊び人だと思っていた樹里に対し、全てを捧げる覚悟で「僕を飼って」と迫る蓮。鉄平に全てを壊された樹里のために、今度は自分が破滅してもいいと笑う姿が切なすぎて、涙腺が崩壊した。この二人、もう狂おしいほど尊い。
75話あらすじ
追手から逃れるため、樹里はとっさに大人の世界の雑貨店へ蓮を連れ込む。気まずい空気の中で、樹里は主導権を握るためのアイテムとして手錠を購入する。逃亡の末にたどり着いたのは、古びた地下のカラオケボックス。そこで樹里は、蓮に対し、彼が女性の扱いに慣れた人ではないかと単刀直入に問い詰める。蓮はその問いを肯定するように、樹里に対して自分を「飼ってほしい」と懇願し、初めての感情を告白して彼女に深く口づけを交わす。樹里のために破滅しても構わないとまで言い切る蓮の熱情に、樹里の心は大きく揺れ動く。一方、横断歩道にいた亜里沙は、誰かの視線を感じていた。
75話を読んだ感想・考察
75話は、もう、何と言えばいいのか分からないくらい胸が熱くなって、同時にゾクゾクするような‥。まず、大人の世界の雑貨店に逃げ込むっていうシチューションがすでに最高に皮肉で刺激的。樹里が慌てて選んだのが「手錠」だなんて、あの理不尽な蓮に対する彼女の心の奥底にある復讐心や、支配欲が透けて見えるようで最高に痺れた。樹里って、普段はあんなに控えめで静かだけど、いざという時の芯の強さと、あの何とも言えない強かな一面がたまらない。蓮を「言うことを聞かない大きな獣」と呼んでコントロールする宣言をした時の、あの瞳。もう、あの瞬間から樹里の人生は蓮に奪われるだけのものじゃなくなったんだって、全身で感じたよ。
そして、何よりも蓮のあの告白。カラオケボックスという、あまりにも生活感のない、逃げ場のない空間で交わされた二人の会話が、もう壊れそうくらい切なかった。「女性の扱いに慣れた人なの?」っていう樹里の問いに対して、あんな風に「じゃあ僕を飼って」なんて言える蓮の覚悟には、正直心臓を撃ち抜かれた。今まで誰にも愛されず、利用されるだけの人生だった樹里にとって、蓮の「君のために破滅してもいい」「僕の全ての『初めて』をあげる」という言葉は、どれほどの衝撃だったんだろう。鉄平には踏みにじられ、壊された樹里だけど、蓮だけは彼女の絶望さえも愛して、自分も一緒に壊れていく道を選ぼうとしている。この関係の歪さが、たまらなく愛おしくて、目が離せない。
「愛して」って泣きそうになりながらすがる蓮の姿を見て、樹里が少しだけ心を開いていく様子が、もう言葉にならないくらい心を揺さぶられた。今までずっと一人で戦って、自分を殺して生きてきた彼女にとって、蓮の存在はきっと救いであると同時に、一番危険な劇薬なんだと思う。最後に亜里沙と鉢合わせして、ニヤリと笑う蓮の顔には、もう迷いなんてないよね。鉄平を破滅させるための共犯関係。これから先、どんなに追い詰められたとしても、二人なら地獄の果てまで行けそうな気がして、すごくワクワクした。整理なんてできないくらい、感情がぐちゃぐちゃで、でも、間違いなくこの物語の中で一番重要な、二人が本物の恋に堕ちた瞬間だった気がしたよ。
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